下田市章

上原仏教美術館

上原仏教美術館 わが国に仏教が伝えられてから
時代と共にすばらしい仏教美術が生まれ、現在に伝えられております。
しかし、科学の発展・機械文明の発達につれて、
この仏教美術が多くの人々から忘れ去られようとしています。
このため仏教美術のすばらしさと奥深さを
広く一般の人々に知ってもらい後世に伝えるために、
「上原仏教美術館」が生まれました。
当美術館は、曹洞宗管長、永平寺七十六世、故秦慧玉禅師の厚い導きと、
大正製薬株式会社名誉会長、故上原正吉氏、
ならびに小枝夫人の寄附によって、
夫人の郷里下田市宇土金の地に建立されたものです。
昭和五十八年五月に開館以来、多くの著名人のご来館をいただき
わが国でもめずらしい仏教美術専門の美術館として発展を遂げております。
館内には木彫の仏像百数十体をはじめ、
仏画など仏教美術に関する資料を保管・展示しているほか、
より深く研究したい方々には図書やスライドなども公開しております。
館内の仏像ひとつひとつをご覧になると、
仏教美術のすばらしさと仏たちの荘厳な世界が感じられることでしょう。
どうぞあわただしい日常を忘れて、静かなひとときをお過ごし下さい。
■開館時間: 09:00〜17:00(入館は16:30まで)
■入場料: 大人300円 小人200円
□駐車場あり
〒413-0715 静岡県下田市宇土金351
TEL.0558-28-1216
FAX.0558-28-0069
URL.http://www.uehara-buddhismart.or.jp/
下田市観光地図

仏像について

釈尊は二十九歳で城を出て、三十五歳で悟りを開き、八十歳で亡くなるまで四十五年間大衆に向かって説法を続けました。
亡くなった後、何年かたつと多くの信者から、釈尊はどんなお姿で説教されたのか知りたいという声が高まりました。
釈尊には悟りを開いた者としての三十二の特徴があるといわれ
如来の三十二相・八十種好といわれていたので、それを元にして信仰の対象となる仏像がつくられたといわれています。
仏像には色々な形をしたものがありますが、どれも釈尊が衆生を導くために変化した姿であると考えられ、
大きく分けて如来・菩薩・明王・天部という四つのグループに大別することが出来ます。

如来について

薬師如来立像 如来とは、修行を完成して悟りを開いた者をさし、
仏教を開いた釈迦如来の他に、
衆生の病苦を数う薬師如来や極楽浄土へと導く阿弥陀如来など、
具体的な性格を持つ如来が数多くあります。
如来を仏像で表わすときには、釈迦が出家した姿を手本とするため、
他の仏たちと違い装身具を一切身につけず、
裳を着け、法衣をまとうのみの姿に造られます。
頭の粒は螺髪といい、
出家のために髪を切ったので、毛が短く縮れた様子を表わしています。
また、頭の上が盛り上がっているのは、
如来にはあふれんばかりの知恵が詰まっていることをさしています。
薬師如来立像

菩薩について

千手観世音菩薩立像 如来が、修行を完成して悟りを開いているのに対し、
菩薩は、悟りを求めて現在も修行を続けている存在です。
菩薩を仏像で表わす場合は、
釈迦が出家する以前の、悉達太子と呼ばれる王子であった頃の姿、
つまり当時のインド上流階級の服装で表わされ、
宝冠・胸飾臂釧(上腕の腕輪)・腕釧(手首の腕輪)など
沢山の装飾品を身につけているのが特徴です。
これは、人々に自分の財産をおしげもなく与えることが出来る心を表現しており、
慈悲を表わす優しい姿は、
数ある仏教尊像の中でも人々にもっとも親しまれる存在となっています。
千手観世音菩薩立像

明王について

不動明王立像 優しい慈悲相の如来に対し、
恐ろしい忿怒相で表わされる明王は、
密教の真言(呪文)の絶大な力を象徴したもので、
大日如来の化身として、
仏教に敵対する邪を打ち破り、衆生を守るという役目を持っています。
明王には、不動明王や降三世明王、愛染明王などがありますが、
活動的な性質のためか、
尊像に造られる場合はどれも、多面多臂のものが多く
様々な武器を手にし、あまり飾りや衣をまとうことはありません。
ただし、孔雀明王だけは例外的に孔雀の上に乗り、宝冠を頂く穏やかな菩薩形に表わされます。
不動明王立像

天部について

毘沙門天立像 天部は、もと古代インドのバラモン教などで信仰されていた神々が
仏教に取り入れられ、人々を守護する護法神となったもので、
他の仏たちと比べ、男女の性別が存在し、夫婦であったりするなど
私たち人間に一番近い性格を持っているといえます。
その個性的な性質から天部の姿は様々に表現されていますが、
大別すると中国風とインド風に分けられ、
梵天や帝釈天のように高位の仏や吉祥天などの女神は中国風に、
四天王など男神のほとんどはインド風に表わされ、
甲冑を着け、武器を持った姿に表現されています。
毘沙門天立像