伊豆に暮らす

伊豆に暮らす 〜健康暮らし応援隊〜絆

過敏性腸症候群

緊張やストレスによって、下痢や便秘をした… こんな経験がある方は、少なくないでしょう。
しかし、この症状が長く続いているならば、過敏性腸症候群の疑いがあります。
重くなると、生活の質に深刻な悪影響を及ばす病気です。
近年、子どもから大人まで増えている過敏性腸症候群ですが、「たかが便秘」「ただの下痢」と思われがち。
そのため、周囲には相談できずに一人で問題を抱えこみ、さらに症状を悪化させる例も多いのです。
無理をしないで、医師に相談し、デリケートなオナカと上手につき合っていく方法を見つけましょう!

これが過敏性腸症候群です。

過敏性腸症候群の症状 下痢や便秘が続くのに、検査をしても腸に異常はみられない…
こんな病態が過敏性腸症候群です。
大腸をはじめとした消化管の、運動機能・分泌機能の
異常によって起こる病気を総称したものです。
症状には個人差があり、タイプもさまざまです。
大きく分けると、便に水分が多い「下痢型」、排便が困難な「便秘型」、
その両方を交互に繰り返す「交替型」の3つになります。
ほかにも、おなかが張る(腹部膨満感)、おなかがゴロゴロ鳴る、
おならが出るといったタイプもみられます。
また、症状の現われ方にも、ある特定の状況下の場合であったり、
日常のあらゆる場面で現われたりとさまざまです。
過敏性腸症候群は、児童から高齢者まで年齢を問わず発症しますが
とくに20〜30歳代が多く、男性より女性の患者さんが多いようです。
この病気は心理的なストレスが関係しているため、
自律神経機能が不安定な方や、神経質なタイプの人に起こりやすい傾向があります。
最近増えているのが、通勤途中で電車に乗ると目的地に着くまでに便意をもよおし、
何度も途中下車をしてトイレに駆け込まなければならないという例です。
一度こうした経験をしてから、通勤時になると
またトイレに行きたくなるのではと不安になり、案の定、便意をもよおして途中下車をしてしまう。
それが毎日のように繰り返され、そのうち出勤自体ができなくなってしまう例もあります。
またはこんなケースも。
会議中におならが頻繁に出て、気になってしょうがないことがあった。
それ以降、会議となるとおならが出たり、
人前で発言したり緊張するだけでおなかが張って、ついには仕事が手につかなくなる…
このような、おなかの不調から始まって、精神的にもまいってしまうというのが、過敏性腸症候群なのです。

腸はストレスに敏感です。

過敏性腸症候群の悪循環 消化管を含め内臓の運動機能は、自律神経にコントロールされています。
自律神経は、脳の視床下部からの指令によって働いています。
一方、ストレスなどの情報も脳に集められます。
この情報によって不安や精神的な圧迫が起こると、
視床下部も同時に反応してしまい自律神経への指令に影響します。
これが、ストレスが内臓の運動機能に影響するしくみです。
とくに腸から脳にかけては、密接に情報伝達をする神経があるので、
消化管運動機能はストレスに敏感に反応してしまうのです。
さらに、腹部不快感や便通異常が起こると、
それ自体がストレスとなり、その情報が脳に伝わります。
するとまた腸がこのストレスに反応してしまう、
という悪循環が起こるのが、過敏性腸症候群の特徴です。
こうした悪循環が繰り返されることで、自律神経失調状態になり、
発汗、動悸、めまいなどの全身的な症状が現われる例もあります。
また、精神的に抑うつ状態になるケースもめずらしくありません。
おなかのことが気になって仕事や勉強が手につかない、遠出ができない、人づき合いが苦手になるなど、
日常生活にさまざまな支障をきたします。
このような点から、過敏性腸症候群はただのおなかの不調では片づけられない、心身症のひとつといえるのです。

つらい症状を緩和します。

過敏性腸症候群と診断される前に、
まず消化器官に形態的な異常がないかどうか、充分に調べるため検査をします。
また下のような症状がある場合は、ほかの病気を疑ってみる必要もありますから、
受診の際に医師にしっかりと伝えてください。
過敏性腸症候群以外の疑い…

過敏性腸症候群と診断された場合は、現時点で一番困っている症状を緩和することから、治療を進めます。
患者さんによっては、下痢を止めることで抑うつ状態が改善するときもあれば、
抗不安剤によって便通が改善することもあり、個人個人で治療方針は異なってきます。
たとえば腹痛や便通の異常に悩まされているケースでは、
消化機能調整薬や鎮痛薬をはじめ、対症療法の薬を処方します。
心理的な症状が強い場合は、抗うつ薬、抗不安薬も併用し改善を図ります。
また心理療法を行なうだけで、症状が軽くなるケースもあります。
過敏性腸症候群の治療の目標は、最終的に消化管の運動機能を正常化させることです。
しかし実際には、完全に正常に戻すことはなかなかむずかしい面があります。
心理的な要因が複雑にかかわっている場合は、長い期間を要することがあります。
治療はあせらず、気長におなかの調子とつき合っていくくらいの、心にゆとりを持つことも大切です。
薬の効果などはゆっくりと現われてくるので、症状が改善されないときも気に病まず、医師に相談してみましょう。

生活習慣も治療の一環です。

過敏性腸症候群の患者さんは、そうでない人に比べて腸が敏感になっていますから、
できるだけ腸に刺激を与えない食事をしたいものです。
とはいっても食事内容はとくに制限はなく、おなかの具合が悪くなければ、なんでもバランスよく食べてください。
大切なのは、食事の時間を楽しく、リラックスして過ごすことです。
ただし、なるべく控えめにしたほうがいい食品は覚えておくとよいでしょう。
以前にこれを食べた時に症状が出た、という記憶があれば、それを避けてみることも一法です。
日常生活のサイクルを規則正しくするだけでも、おなかの症状が改善する場合があります。
また、それを続けることで再発の予防にもなります。
過敏性腸症候群は、
こうしたライフスタイルの改善を、薬の服用・心理療法などと組み合わせて治療を進めていく病気です。

気持ちにゆとりを持ちましょう。

過敏性腸症候群になるのは、完璧主義、生真面目、内向的といったタイプの人が多い傾向があります。
周囲に気を遣い過ぎたり、以前の経験が尾を引いたりすることで
深く考えこんでしまい、過敏性腸症候群を引き起こします。
普段から、すべて完璧を望むのではなく、「ここまでできたんだから良し」とする考え方も必要です。
症状に対しても、「こうなったらどうしよう」と思うより、
「トイレに行けばいい」「薬を飲めば大丈夫」といったプラス思考でいきましょう。
また、症状が長びいたりぶり返した時は、念のため腸の検査を受けておくとより安心です。