伊豆に暮らす

伊豆に暮らす 〜健康暮らし応援隊〜絆

危ない心筋梗塞

昨日まで元気だった人が急に亡くなってしまう「突然死」。
死亡者数は年間8万人ともいわれ、その60%の方は心臓の病気が原因で命を落としています。
なかでも心筋梗塞は、突然死で亡くなる方の死亡原因の約30%を占め、
まさに生命に直結する危険な病気だといえるのです。
突然の悲劇を防ぐためにも、心筋梗塞という病気について理解を深めておきましょう。

危険は血管からやってくる

狭心症と心筋梗塞 休みなく働く心臓を支えるため、酸素と栄養分を供給しているのは、
周辺を取り巻いている冠動脈という血管です。
その血管に動脈硬化が起こると、血液がスムーズに流れず、
心臓の筋肉に酸素や栄養を送れなくなります。
すると心臓は、全身に血液を送る
ポンプの役目を充分果たすことができなくなるため、
命にかかわる危険な状態を招いてしまうのです。
これが、狭心症や心筋梗塞といった虚血性心疾患です。
狭心症(右図-上)は、
動脈硬化によって血管の内部が狭められ、
血流が滞ることで、一時的に心臓の発作が起こります。
胸の痛みは比較的短時間で、血流が回復すれば症状も治まります。
一方、心筋梗塞(右図-下)は、
血管が完全にふさがれ、血流が途絶えてしまうため、
酸素や栄養がまったく送られずに、心臓の筋肉の一部が死んで(壊死)しまいます。
一度壊死した心筋は元にはもどらず、心臓の機能が大きく損なわれてしまうため、
発作が起こったら一刻の猶予も許されない状態です。
突然襲う胸の痛みの強さや継続時間は、
狭心症とは比べものにならず、冷や汗、嘔吐、不安感、呼吸困難などを伴うことがあります。
また、背中や首、腕など、胸以外の場所が痛む(放散痛)場合もあります。
治療法の進歩で、急性の心筋梗塞による死亡率は低下しているものの、
それでも発症者の50%程度と、たいへん危険な病気であることに違いはありません。
しかも、亡くなった方のうち60%は発症後1時間以内に命を落としており、
いかに迅速に治療を受けるかが生死を左右するといえます。
また心筋梗塞には、狭心症から移行して発症するケースがあり、
患者さんの半数以上はこうした経緯をたどるといわれています。
しかしながら、約1/3の方は、何の前ぶれもなく突然に心筋梗塞を発症しており、
予知することがむずかしい病気だという側面ももっているのです。

血流を再開させる治療法

血流を再開させる治療法 心筋梗塞の発作が起きたら、
周囲の人は急いで救急車を呼ぶようにします。
CCU(冠動脈疾患集中治療室)など、
充分な設備が整った病院に運んで
治療を受ける必要があるからです。
早ければ早いほど、命が助かる可能性は高いので、
「迅速に、かつ冷静に」
対処することが重要だといえます。
病院では、冠動脈造影検査などで
心筋梗塞が起こっている部分を見つけ、
つまった血管の血液が再び流れるようにする治療が行なわれます。
一般には、脚のつけ根や腕の動脈から
細い管を送り込むカテーテル療法や、
血栓を溶かす薬液を静脈に注射する
血栓溶解療法などが用いられます。
また、何か所にもわたって血管がつまっている場合などには、
新たに血液の通り道をつくる
バイパス手術が行なわれることもあります。

動脈硬化を予防して心臓を守る

ある日突然襲ってくる生命の危険、それが心筋梗塞です。
しかしながら、その最大原因である動脈硬化は、
毎日の生活習慣の積み重ねによって、ジワジワと魔の手をのばしているのです。
心筋梗塞の危険因子は、大部分が動脈硬化の促進に関するものです。
これらを複数もっている人は、とくに心臓の状態に注意を払う必要があります。
と同時に、積極的に生活習慣の改善に努め、
一つでも危険因子を減らすことで、突然の悲劇を未然に防ぐようにしましょう。

自分の心臓を守るために

心筋梗塞の危険因子
毎日の生活から予防対策

食事の改善

生活の改善

そして…

緊急時の対応 -心肺蘇生法

心筋梗塞の発作は、前ぶれもなく突然起こります。
心臓が停止して3分、または呼吸が止まって10分放置しておくと、50%の人が死に至るといわれています。
119番通報から救急車の到着までの時間は、全国平均で約6分です。
その間、周囲の人ができるだけ早く心肺蘇生法を行なうことが、救命のためには不可欠なのです。
万が−の事態に備えて、救命法をぜひ身につけておきましょう。

▼意識や反応があるかチェックする

肩などを軽くたたき、耳元で「大丈夫ですか」と声をかけ、意識や反応などがあるかを確認する。
反応がなければ、119番に通報し、AEDがある場合は用意する。
周りに人がいれば、その人に頼むとよい。
鼻や□元に顔を近づけ、呼吸をしているか確かめる。

▼▼気道を確保し、人工呼吸を2回行う。

気道確保 片手でおでこを押し下げ、もう片方の手の指であごを引き上げ、気道を確保する。
親指と人差し指で鼻をつまみ、□を大きく開けさせて、
自分の□でふさぎ、1秒かけて息を吹き込む。これを2回くり返す。

▼▼▼心臓マッサージを30回、人口呼吸を2回くり返す。

心臓マッサージ 図のように両手を重ね、ひじを伸ばして、真上から体重をかけるように垂直に押す。
胸が4〜5cm沈む程度の強さで、1分間に100回のペースが適当。
心臓マッサージを30回、人工呼吸を2回のセットで、
呼吸や動きを確認しなからくり返し行なう。
AEDがある場合は使用し、心臓マッサージは省略してよい。

AED(自動体外式除細動器)

AED(自動体外式除細動器) 心臓に電気ショックを与える救命機器。
身体に電極を貼りつけるだけで、機械が自動的に心臓の状態を解析し、
救命の手順を音声で指示してくれる。
一般の人も使用することができ、駅や公共機関、学校などで、設置が進められている。