伊豆に暮らす

伊豆に暮らす 〜健康暮らし応援隊〜絆

子宮の病気は原因がよくわかっていない、完治がむずかしいなどのケースが多く
女性にとって不安や悩みの種となります。
もちろん女性特有の病気ですが、場合によっては不妊の原因にもなり、
家族やパートナーの男性にも、きちんと理解していただきたい病気です。
今回は、子宮の病気の代表格、子宮筋腫と子宮内膜症。
どちらも生命を脅かす病気ではありません。
つき合い方、治療法など、自分に合った選択をし、前向きに対処していきましょう。

子宮筋腫

子宮にこぶ? 成人女性の5人に1人

子宮の壁は、筋肉(子宮筋層)と、
それを内側と外側からおおっている膜(子宮内膜・漿しょう膜)からなっていますが、
その壁にできるこぶのようなかたい腫瘍が、子宮筋腫です。
子宮筋腫は、女性にとってごくありふれた病気です。
実はほとんどの女性が、筋腫の芽のようなものをもっていて、
女性ホルモンの作用によってそれが大きくなり、筋腫になると考えられています。
その大きさや数、大きくなるスピード、症状など、すべてに個人差があります。
発症率が高い年齢は、女性ホルモンの作用が強い30〜50歳代で、
30歳以上の女性の5人に1人は筋腫をもっているといわれます。
閉経とともに女性ホルモンの作用がなくなると、筋腫は小さくなっていきます。
子宮筋腫が女性ホルモンの作用によって大きくなることはわかっていますが、
筋腫の芽のようなものがなぜできるのかは不明です。
したがって、予防策は残念ながらありません。
しかし、治療法については、患者さんの症状やライフプランに合わせて選択肢が広がっています。

取らなくても大丈夫? 治療法の選択

子宮筋腫の種類 筋腫はたいてい複数でき、
大きさはあずき大から大人の頭ほどの大きさまで様々です。
しかし子宮筋腫は良性なので、
取り除かないと命にかかわるというようなものではありません。
がん化することもほとんどありません。
ただし、できる位置によっては、
重い症状に悩まされたり、妊娠しにくくなることがあります。
子宮筋腫はあまり自覚症状がない病気ですが、
位置や大きさによっては、過多月経などのような症状がみられます。
過多月経というのは、
大きめのナプキンでも1時間もたなかったり、月経がI週間以上続くことです。
とくに、レバーのような血の塊が1日に何回も混じるようなら、一度検査するとよいでしょう。
こうした症状がどれほど負担になっているか、妊娠を希望しているが影響はあるのか、
といった患者さんの状況によって、治療法が選べます。
最近の治療は、一昔前の「すぐ手術して取り除く」という考え方から、
まずは経過を観察するという傾向にあります。
筋腫が見つかってもあわてずに、納得のいく治療法を選択しましょう。

子宮内膜症

子宮以外で月経が? 成人女性の10人に1人

子宮内膜症が発生しやすい部位 子宮の内側をおおう子宮内膜の細胞は、
2つの女性ホルモンの影響を受けて、増殖したり増殖を止めたりしています。
そのため子宮内膜の厚さは、約1mmから1cm前後にまで厚くなります。
これは受精卵の着床(妊娠)のための準備です。
排卵後2週間のうちに妊娠が成立しなければ、
子宮内膜は不要になり、一気にはがれ落ちて血液とともに排出されます。
これが月経です。
この子宮内膜と同じような組織が、
本来ない場所に現われるのが子宮内膜症です。
つまり、周期的な月経が、子宮以外の場所でくり返されるのです。
しかし体外に排出することができないため、
その部分は傷口のようになり、炎症を起こします。
月経のたびに炎症がくり返されると、傷口をふさごうとする身体の治癒力が働き、
繊維組織が形成されて、これが臓器や腹膜をくっつけてしまいます。
こうなると、不妊を始め、臓器の機能にいろいろな支障をきたします。
子宮内膜症が発生しやすい場所は、子宮やその周辺臓器の表面、子宮筋層、卵巣内部、腹膜などです。
なぜ子宮内膜が子宮の内側以外にできてしまうのか、原因は諸説ありますが、はっきりとわかっていません。
したがって子宮筋腫と同様、残念ながら予防策はありません。
子宮内膜症は若い世代から急増しており、成人女性の10人に1人はあると思われます。
進行性の病気で、放置するとますます治療が困難になります。

強い痛みは放置しない!

子宮内膜症の症状は、無症状を含めてかなり個人差がありますが、強い月経痛がほぼ共通しています。
月経時の腰痛も半数以上にみられます。
長い問放置していると、月経時以外でもこれらの痛みがあるほか、
下腹部痛、性交痛、排便痛などがみられることがあります。
これらは癒着が起こってくると生じます。
子宮内膜症の痛みの特徴は、強いだけでなく月経のたびに増してくることです。
数か月前より月経痛が重くなっていると感じたら、早めに受診しましょう。
治療法は大きく分けると、薬物療法と手術療法があります。
子宮内膜症は、妊娠・出産を経験すると、病状が軽快することがよくあります。
また、月経によって病変部も活動するわけですから、閉経すれば病巣は小さくなっていきます。
そこで、薬によって妊娠時や閉経時のホルモン状態にし、
症状を改善しようというのがホルモン療法です。
しかし根治する治療法ではありません。
子宮内膜症は再発しやすいため、手術で卵巣を摘出しなければ、根治はしません。
しかしこれは、妊娠を希望する女性にとっては避けたい方法です。
薬物療法にも手術療法にも、それぞれメリットとデメリットがあります。
子宮内膜症は不妊の原因になっていることがよくありますが、
一方で治療しながら出産をされている方も大勢います。
患者さんがご自身の希望とライフプランをしっかりもったうえで、医師と話し合って治療に臨むことが大切です。