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もっと楽につき合える… 関節リウマチ

免疫は身体に侵入した有害なものを攻撃し、身体を内側から守るシステム。
これが、正常な自分の身体を誤って攻撃してしまう病気があります。
これを「自己免疫疾患」といいいます。そしてこの病気の代表が、関節リウマチです。
病状に個人差があり、治癒がむずかしく、原因不明という点で恐れられてきた病気です。
しかし現在は、治療法が格段に進歩し、「一生良くならない」と悲観するような病気ではありません。
患者さんにとっては、病気の知識をもつことは、治療の一環でもあります。
ぜひ、関節リウマチを正しく知ってください。

免疫力が関節を破壊する

リウマチの進行 リウマチという言葉は、
正確には一つの病名ではなく、
リウマチ性疾患という、
全身の関節や骨、筋肉などに
痛みや腫れがみられる病気全般の総称です。
しかしこのなかで、
関節リウマチは最も患者数が多いため、
一般には、リウマチというと
関節リウマチのことを指しています。
ただし、広い意味で「リウマチ」といわれることもあるので、覚えておきましょう
関節リウマチは、免疫機能の異常によって、自分の身体を自分で傷つけてしまう自己免疫疾患です。
この免疫異常が関節の中で起こり、滑膜の炎症から始まって、軟骨や骨が破壊されていきます。
外見上の関節は、滑膜が分泌する関節液が溜まるために腫れ、軟骨や骨の破壊によって変形してきます。
なぜこうした免疫異常が起こるのか、さまざまな研究が進められていますが、
はっきりした原因はわかっていません。
遺伝が深く関与していることが知られていますが、血縁者に関節リウマチの罹患者がいると、
そうでない人に比べて発症しやすい、という素因の一つにすぎません。
免疫異常が起こるには、いくつかの誘因が重なっていると思われます。
ウイルスや細菌の感染、過労やストレスも、原因のひとつと考えられています。
患者数は全国でおよそ70万人、高齢化に伴って増加傾向にあります。
どの年代でも起こり得ますが、とくに30〜50歳代に発症するケースが多くみられます。
男性の患者数に対して、女性の患者数は4倍と、女性のほうが多い病気です。
関節リウマチは、大きく3タイプに分けられます。
最も多いタイプは、急に悪くなったり症状が安定したり、
という時期をくり返しながら、ゆっくり進行するタイプです。
そして、良くなる時期がなく、急速に進行するタイプが全体の10%くらいにみられます。
また、自然に症状が軽くなるか完全になくなり、再発しないタイプもあります。
個人差が大きいので、いずれのタイプも、どれくらいの期間でどの程度進行するかは、はっきりといえません。

リウマチという疾患

関節リウマチ以外にも、自己免疫疾患に分類され、関節や骨、筋肉に痛みや腫れを起こす病気があります。
全身性エリテマトーデス(SLE)、全身性硬化症(強皮症)、皮膚筋炎などです。
これらは特定疾患(難病)に指定されている病気で、総称して膠原(こうげん)病といいます。
また膠原病でなくても、痛風や変形性関節症なども「リウマチ性疾患」と呼ばれています。
膠原病はリウマチ性疾患のひとつということです。
リウマチとは、もともとギリシャ語の「流れ」を意味する言葉「リューマ」に由来した言葉です。
リウマチ性疾患は、
「悪い液体が脳から全身に流れて、関節などにたまって痛みや腫れを起こしている」
と考えられていたためです。
ちなみに、膠原病と分類される病気には、前出のような特定疾患が多くありますが、
関節リウマチは特定疾患ではありません。
ただし悪性関節リウマチに進行した場合は、特定疾患として扱われます。

早期治療が関節を守る

関節リウマチは、最近になって、発症してから2年間が最も進行することがわかってきました。
どんな病気もそうですが、
関節リウマチの治療も早期から開始すれば、進行を遅らせたり、食い止められる可能性があります。
しかし、初期の関節リウマチでは、外見上の変化はよくわかりません。
明らかな関節の変形が現われるのは、
一般に発症して10年以上経ってからで、すでに軟骨や骨の破壊が進行した段階です。
そこで、初期の関節リウマチが示す兆候を、見逃さないことが重要になります。
関節リウマチのサインとして、よくいわれるのが「朝のこわばり」です。
起床後に「手指がこわばって動かしにくい」「身体中の関節が動かしにくい」という症状です。
これは数分から1時間ほどで消えてしまうので、放置してしまいがちですが、
悪化するにつれてこわばりが長く続き、天気が悪い日はひどくなったりします。
また、関節の痛みやこわばりは、左右対称に起こることが多いのも特徴です。
ごく初期の段階では、微熱や倦怠感、食欲不振などの全身症状もみられます。
関節リウマチは、症状だけでは病気を特定するのがむずかしい病気です。
何科を受診すればいいのかわからない時は、かかりつけ医に相談するか、内科を受診しましょう。
関節リウマチの疑いが強ければ、リウマチ科や膠原病科の専門医を受診するのが望ましいでしょう。
受診の際は、症状を細かく伝えられるよう、数日前から、気がついた異変を書きとめておくと役に立ちます。
医療機関においても、とくに初期症状の段階では関節リウマチと診断するのはむずかしく、
採血やMRIによる検査を行なって診断します。

悪性関節リウマチとは

関節リウマチは、関節の病気と思われがちですが、実は全身性の病気です。
炎症は、全身の関節にとどまらず、血管にまで起こること(血管炎)があります。
また、心臓や肺などの臓器にも炎症が起こり、
心筋炎、心膜炎、肺線維症など重篤な疾患を併発することがあります。
この場合は、悪性関節リウマチと分類され、
とくに難治性のため、特定疾患のひとつに指定されています。
ただし、関節リウマチから悪性関節リウマチに進行するケースは、
患者さん全体の0.6〜1%と、多くはありません。

病気とつき合っていく気持ちが大事

関節リウマチの治療は、次の4つの方法を組み合わせて進めます。

■薬物療法
近年、リウマチの治療薬はめざましく進歩しました。
以前は、抗炎症薬で痛みや炎症を抑える対症療法が中心でしたが、
免疫異常に効果がある抗リウマチ薬が登場し、ある程度進行を抑えることも可能になりました。
さらに現在は、滑膜を攻撃し関節破壊の元凶である「サイトカイン」という物質に対して、
その活動を抑えるサイトカイン阻害薬が認可されました。
この薬は、炎症や関節破壊を阻止する効果がこれまで以上に高く、
他の薬との併用によって、破壊された関節を修復できる可能性も期待されています。
ただし、どの薬にも副作用は伴います。
体調に異常が現われた時には、絶対に独断で服用をやめたりせず、医師に相談してください。

■理学療法(リハビリテーション)
関節の動かせる範囲を狭くしないため、また筋力低下を防ぐために、運動療法は欠かせません。
理学療法士や医師が、体操のやり方を指導します。
自宅で簡単にできるものなので、毎日続けて、関節を動かしましょう。
また、温熱療法、水治療法など、血行を促進し痛みを緩和する方法を物理療法といいます。
絵画やパソコンをやりながら機能回復を図る作業療法もあります。
変形してしまった関節を補助したり、
変形の予防のための装具をつけることも、効果的な場合があります。(装具療法)

■手術療法
炎症が強いがこれ以上薬を増やせない、
または関節が動かなくて日常生活にも不自由しているケースでは、手術療法が検討されます。
症状によって、滑膜の炎症が強い場合は滑膜切除術、
関節の骨が破壊されてしまっている場合には人工関節置換術など、いくつか手術法があります。
ただし、悪化した関節リウマチのすべてに手術が適応するわけではなく、
手術を行なえば永久に元の関節のように動かせる、となるわけではありません。
術後の経過にも個人差があり、まれに感染症を起こすこともあります。
薬物療法と同様に飛躍的に進歩している治療法ですが、
術後のケア、伴うリスクなどを、医師と充分話し合っておくことが必要です。

■基礎療法
関節リウマチの治療の基本は、病気と向き合うライフスタイルと気力です。
関節リウマチの正しい知識をもち、自分の関節リウマチの性質を知ることも、治療の一つです。
一度発症すると、長いつき合いになる病気ですから、
「関節リウマチと闘う」ようなつもりで気負うと、心身ともに疲れてしまいます。
関節リウマチは体力を消耗する病気なので、疲れは禁物です。
精神的に余裕をもって、「寛解(症状がつらくない程度まで治まること)」を目指していきましょう。

基礎療法が肝心

安静と運動

関節が痛かったり腫れている時は、無理に動かさず安静が必要です。
しかし、痛いからといってずっと動かさずにいると、関節がさらに硬くなってしまいます。
家庭でできる体操を習慣にして、日常を活動的に過ごしましょう。

保温

関節が冷えると、痛みが強くなり、さらに動かしにくくなります。
寒い時期はもちろん、夏も冷房で冷えないように、上着やひざ掛けを常備しましょう。
入浴では、ゆっくり浸かって身体を温めましょう。

周囲の理解を得よう

「疲れやすい」「だるい」というのも関節リウマチの症状だということを、
家族や職場の人に理解してもらうと、「怠けている」などと誤解をされずにすみます。