伊豆に暮らす

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血管の崩壊… 動脈硬化

日本人の死因の第1位は、ガン。そして2位、3位に心疾患、脳血管疾患と並んでいます。
この2位と3位は、どちらも動脈硬化が引き起こす病気の代表です。
そして、この2つの死亡者数を合計すると、1位のガンにほぼ匹敵する数になります。
命に関わる重篤な病気の引き金となる、動脈硬化。
これは病気の一つだと認識し、健やかな血管を守りましょう。

生活習慣によるものが危険

血管の構造 みなさんは「血管年齢」という言葉をご存じでしょうか?
血管は、必ずしも実年齢と同じように老化するわけではありません。
言いかえれば、実年齢よりもずっと年老いた状態の血管もあるわけです。
同じ年齢でも血管年齢に差があるのは、生活習慣に違いがあるからなのです。
(遺伝や体質も関与していることがあります)
血管年齢が高いということは、動脈硬化が進んでいるということです。
なぜなら動脈硬化は、血管の老化でもあるからです。
加齢とともに、血管も少しずつ硬くもろくなってくるのは避けられません。

しかし、生活習慣によって実年齢以上に進んだ動脈硬化は、急速に悪化し大きな病気を招きます。
加齢によって少しずつ進む動脈硬化とでは、危険度が大きく違うのです。
加齢によって進む場合は、
血液中のコレステロールが長い年月の間に少しずつ血管の壁に沈着していき、やがて硬い線維質になります。
沈着したコレステロールが血管内腔を徐々に狭くしますが、血流を突然止めてしまう血栓は、あまりできません。
一方、生活習慣によって進んだ動脈硬化は、
沈着したコレステロールが血管壁にたまり血液の通り道を狭めたうえ、血栓ができやすく、血流を止めてしまうのです。
それが心疾患、脳血管疾患(脳卒中)などの、命に関わる重大な病気を引き起こすことになります。

動脈硬化は、血管の部位や起こり方によって3種類に分けられます。
なかでも、最も多くて危険なタイプは、粥状(じゅくじょう)動脈硬化です。
血管内膜にできた、泡沫細胞とコレステロールのかたまりは、
ドロドロした粥(かゆ)状になっていることから、粥状硬化巣またはアテロームといいます。
血中コレステロールが過剰になっている高脂血栓が、動脈硬化を進ませます。
危険因子はそれだけではなく、高血圧が長い間続いていると、
高い圧力によって内皮細胞を傷つけることになり、コレステロールやマクロファージが内膜に侵入しやすくなります。
また、喫煙やストレスは活性酸素を生むこととなり、コレステロールの酸化を促進します。
つまり動脈硬化は、高脂血症のほか高血圧症・高尿酸血症、喫煙、過度の飲酒、ストレスなど
いくつもの危険因子が重なって発症・進行するのです。

粥状動脈硬化(アテローム動脈硬化)

おもに大動脈などの太く重要な血管にみられる動脈硬化。
突然、重篤な病気を引き起こしやすく、とくに高脂血症が促進要因となる。

細動脈硬化

比較的細い動脈にみられる動脈硬化。
血管の内腔が狭くなると蛇行し、こぶ(小動脈瘤)ができることも多い。
こぶが破裂して出血する場合もある。とくに高血圧症が促進要因となる。

中膜硬化

動脈の中膜にカルシウムが沈着し硬くなるため、血管が破れやすくなる。
大動脈、下肢の動脈、頚動脈に起こりやすい。

こんな病気を引き起こす

動脈硬化の原因を知っていても、実際に自分の身体に起こっているとはなかなか思えないでしょう。
なぜなら、動脈硬化には自覚症状がないからです。
進行した動脈硬化によってさまざまな病気が引き起こされ、はじめて症状として現われるのです。
また、動脈硬化は早くても中高年になってから起こるものだと思っていないでしょうか。
最近では、食事や運動の生活習慣によって、10代から動脈硬化が起こりうることがわかっています。
では、動脈硬化が引き起こす恐ろしい病気や症状を、いくつか挙げてみましょう。

虚血性心疾患(心筋梗塞・狭心症)

粥状動脈硬化によって、心臓の冠動脈に血栓ができると、心筋に送られる血液が止められ、心筋梗塞を起こします。
完全に血管をふさぐほどではなくても、
血管壁にできたアテロームによって血流が悪くなった状態は、一時的に心筋虚血になる狭心症を招きます。
放置していると、心筋梗塞に移行する危険性があります。

脳血管疾患(脳梗塞・脳出血)

脳に血液を送る脳動脈に血栓ができると、血流が途絶える脳梗塞を招きます。
また、細い動脈が動脈硬化になると、血管がもろく破れやすくなります。
そうして脳の中で血管が破れ、血液が流れ出てしまうのが、脳出血です。

閉塞性動脈硬化症

下肢の血管の動脈硬化によって、血行障害が起こった状態です。
足の痛みやしびれが起こり、歩行が困難になってきます。
放置してさらに血液が行き届かなくなると、壊死などの末期的状態になることもあります。

大動脈瘤

心臓からおへその付近まで続く太い動脈が大動脈で、横隔膜から上を胸部大動脈、下を腹部大動脈といいます。
この動脈の一部がこぶ状に膨らむのが大動脈瘤です。
無症状のまま大きくなり、内臓を圧迫したり破裂したりするので、重症になると危険な病気です。

腎硬化症

腎臓の中の細い動脈に動脈硬化が起こり、尿をろ過するなどの腎臓本来の機能が低下するものです。
腎臓は硬化・萎縮し、やがて腎不全になると、透析療法が必要になります。

眼底出血

眼底にある網膜では、網の目のように動脈と静脈が交差しています。
動脈硬化で血管がもろくなると、交差したところで血流が途絶えたり血管から出血したりします。
これが眼底出血で、重症になると失明することもあります。

血管は若返ることができる

このような思いもかけない重大な病気は、
「コレステロールが高いくらい」「血圧が高いくらい」…と軽く考えているそばから忍び寄ってきます。
「ちょっとだけオーバー」している数値でも、高血圧、高脂血症、高尿酸血症、高血糖など
要注意が2つ以上重なった時は、すでに動脈硬化が進んでいると考えられます。
ひとつずつでも正常植になるよう、生活習慣を見直しましょう。
場合によっては、薬による治療も必要になりますが、
もっとも安全で安価で確実な治療法は、食事を中心とした生活習慣の改善です。
もちろん、喫煙や運動不足も改善が必要です。
重ねてきた年齢は、若く戻すことはできません。
しかし血管年齢は、生活習慣の改善によって若返ることが明らかになっています。
若い血管は病気をはね返し、いくつになっても元気に過ごせます。
つまり血管を若く保つことは、外から見ても若々しい姿を保てるという、アンチエイジングの原点といえるのです。