伊豆に暮らす

伊豆に暮らす 〜健康暮らし応援隊〜絆

緑内障から目を守る

緑内障は、40歳以上の人の約5.8%(17人に1人の割合)が罹るといわれる、身近な「目の成人病」です。
ところが、失明する危険を伴うにもかかわらず、
自覚症状が乏しいため、大多数の患者さんは気づかずに放置してしまっているのが現状です。
中高年の皆さん、あなたの目は大丈夫ですか?

緑内障のメカニズム

眼の仕組み 私たちの目に入った光は、角膜を通ったあと
虹彩、水晶体、硝子体を通過して、網膜にその像が映しだされます。
この網膜には、一面に視神経がはりめぐらされていて、
キャッチした像を瞬時に電気信号に変え、
その視覚情報を脳へと送っています。
このような目の働きによって、
私たちは正常に「ものを見る」ことができるわけです。
緑内障は、この経路のうち、視神経が障害を受けることで
徐々に視野(ものが見える範囲)が欠けていく病気です。
傷ついた視神経は元に戻らず、また長い時間をかけて進行するため、
だんだんと見えない部分が広がり、
最悪の場合には失明に至ることもあります。
では緑内障は、どのようにして起こるのでしょうか。
眼球が丸い形を保っているのは、内側から外側に向けて
常に一定の圧力(眼圧)がかかっているからです。
その眼圧を保つ役割を果たすのが、
角膜や水晶体に栄養を補給している房水という液体です。
房水は毛様体で作られ、虹彩の裏を通って
隅角にある線維柱帯から排出されます。
通常は房水の産生と排出のバランスがとれ、
その量が一定することで、眼圧も一定範囲に保たれているのです。
ところが、隅角に何らかの異常が発生して排出が滞ると、
房水の量が増えて、眼圧の上昇が起こります。
目の奥にも強い力が加わり、
視神経や視神経乳頭は圧迫されて障害を受け、
脳への回路が部分的に切断されてしまいます。
その結果、視野が欠ける異常が現われてくるのです。
緑内障には、急激に起こる急性のものもありますが、
圧倒的に多いのはゆっくりと悪化していく慢性のタイプです。
徐々に視野が欠けてくるうえに、
もう一方の健常な目が補うこともあって、かなり進行してから気づく場合がほとんどです。
緑内障で視野が欠けていくイメージ

緑内障のタイプ

緑内障のタイプ 房水の排出がスムーズにいかなくなるのには、
2つの原因が考えられます。
「水はけが悪いタイプ(開放隅角緑内障)」と、
「出口がふさがっているタイプ(閉塞隅角緑内障)」です。
これまでは、これら隅角の異常が眼圧の上昇をもたらし、
それが原因で緑内障が起こるとされてきました。
ところが開放隅角緑内障のなかには、
眼圧が正常値(10〜21mmHg以内)であるにもかかわらず
緑内障を発症している人が、
非常にたくさんいることがわかったのです。
このようなタイプを正常眼圧緑内障(NTG)と呼び、
日本人にもっとも多いタイプだといわれています。

緑内障を見逃すな

慢性の緑内障では、自覚症状がほとんどないものの、しかし着実に視野は失われていきます。
失明という不幸な事態を防ぐためにも、早期発見・早期治療がとても重要だといえるのです。
緑内障の発症には、眼圧が高くなること以外に、体質、加齢、ストレスなどが関係しているともいわれます。
40歳を過ぎたら、目に異常を感じなくても、年に1〜2回は、眼科で定期検診を受けるようにしましょう。
とくに、家族に緑内障の患者さんがいる人は、積極的に検査を受けることをお勧めします。

眼圧検査

麻酔薬を点眼してから測定器の先端を直接眼球に当てたり、
また空気を眼球に吹きつける方法で、眼圧を測ります。
いずれの方法も痛みを伴うものではありません。
しかしながら、緑内障にはNTGのようなタイプもあるため、この検査だけで診断をすることはできません。

視野検査

自動視野計という機械を用いて、視野のどの部分がどの程度欠けているかを調べます。
視野が正常かどうかや、また緑内障の進行の程度がわかる検査です。

眼底検査

検眼鏡や顕微鏡などで、瞳孔(ひとみ)から眼球の奥を直接観察して、視神経や視神経乳頭の状態を調べます。
自覚症状がほとんどない初期の緑内障でも、この検査によって早期にキャッチすることができます。
また、眼圧に異常が現われないNTGの診断にも有効な検査法です。

緑内障から目を救う

一度障害を受けた視神経は、残念ながら元にはもどらないため、
緑内障の治療は、それ以上の進行を止めることが中心となります。

薬物療法

緑内障の治療の基本は、おもに点眼薬を使って眼圧を下げる方法です。
薬には、房水が作られるのを抑えるタイプと、房水の排出を促すタイプがあるので、
患者さんの病状に応じて用い、また場合によっては2〜3種類を組み合わせて治療することもあります。
点眼の際は、医師の指示どおりに、必ず用法・用量を守りましょう。

レーザー治療

薬物療法で効果が現われない場合に行なわれます。
レーザーによって、虹彩に小さな孔を開けて房水の通り道を作ったり、
線維柱帯の目づまりを改善して、眼圧が下がるようにします。
外来での治療が可能で、とくに閉塞隅角緑内障に効果を発揮します。

手術療法

薬物治療やレーザー療法でも眼圧が充分に下がらない場合は、外科手術が行なわれることがあります。
線維柱帯を切開したり、隅角の密着した部分をはがすなどして
房水の循環・排出がスムーズにいくようにします。
手術療法では、1〜2週間の入院が必要です。

緑内障は、生涯にわたって、経過を観察しながら治療を続けていく病気です。
薬で眼圧が下がっても、やめればまたすぐに上がってしまいます。
くれぐれも、自己判断で治療を中断することのないようにしましょう。
高血圧などと同じように、定期的に診察を受け、眼圧を上手にコントロールすることを心がけてください。