伊豆に暮らす

伊豆に暮らす 〜健康暮らし応援隊〜絆

脳卒中から命を守る方法

がん、心臓病と並び、三大生活習慣病といわれる脳卒中。
治療法の進歩や予防法の普及によって、死亡者は減少しているものの
いつ襲ってくるともしれない、危険な病気であることに変わりはありません。
そこで、
脳卒中を察知することはできないのか? もし発症した場合はどう対処したらいいのか? こうしたポイントを中心に、一刻を争う時に生命を牧う脳卒中対策を特集します。

脳卒中の基礎知識

脳卒中は、脳血管疾患ともいわれ
血管が破れたりつまったりすることで、脳の機能に障害が起こる病気の総称です。
その原因によって大きくわけると、脳梗塞、脳出血、くも膜下出血の3種類がありますが
例えば急に倒れて意識がなくなるなど、いずれもある日突然に発症するという特徴があります。
またどれも、時間の経過とともに脳の機能障害が進んでいくため、
発症したら一刻も早く治療を受けなければならない危険な病気です。
治療の遅れが、死亡という最悪の事態を招いたり、
また重い後遺症が残って寝たきりになってしまう場合も少なくありません。
脳卒中のなかで、全体の患者数の約4分の3を占めるのが、血管がつまるタイプの脳梗塞です。
その原因には動脈硬化が深く関与していますが、
糖尿病や脂質異常症(高脂血症)など、動脈硬化をもたらす生活習慣病の人が増えたことにより、
脳梗塞の患者さんも増加したものといえます。

脳卒中の種類

脳卒中の種類 脳梗塞 動脈硬化で狭くなった部分に血栓がつまったり(脳血栓)
心臓で作られた血栓が
脳まで運ばれて血管をつまらせる(脳塞栓)
そのために血液の流れが滞り、
そこから先の部分には栄養や酸素が届かずに
脳細胞が死んでしまう。
脳出血 脳の中の動脈が破れ、出血して周囲の脳細胞を圧迫する。
原因の80%は高血圧によるもので、細い血管が破れやすい。
出血した血液は固まって「血しゅ」となり
その周辺に生じたむくみが
さらに脳細胞にダメージを与える。
くも膜下出血 脳の表面を走る血管に
こぶ状のふくらみ(動脈りゅう)ができ
それが破裂して、くも膜の下に出血が広がる。
動脈りゅうは、血管が枝分かれしている部分にできることが多い。
急な血圧の変動が引き金になったり、遺伝的に血管壁が弱い人などに発症しやすい。

脳卒中は予知できる?

脳卒中の前ぶれ発作 突然襲いくる脳卒中。
しかしながら、
「あとで思えばあの症状が…」という
前ぶれを経験しているケースが
実は少なからずあるのです。
この前ぶれ発作の段階で
早めに治療を受ければ、
本格的な発作を未然に防ぐこともできます。
脳卒中の警告サインを決して見逃さず、
適切に対処することが、
とても重要なポイントなのです。
なかでも脳梗塞は、
約3割の人が前ぶれ発作を経験しているといいます。
症状は右図のように
本格的な発作の場合と同じですが、
数分〜30分以内の間に
治まってしまうことがほとんどです。
このような脳梗塞の前ぶれ発作を、
一過性脳虚血発作(TIA)とよびます。
TIA自体は、一時的に血管がつまることで起こり、血栓が溶けて血流が戻れば、症状は回復します。
しかし、TIAが起きたということは、すでに脳梗塞の下地ができていると重く受け止める必要があるのです。
事実、治療を受けずに放置しておくと
約3分の1の人が、数年以内に本格的な脳梗塞の発作を起こすというデータもあります。
また、くも膜下出血の場合にも、本格的な発作が起こる前兆として
ごく少量の血液が動脈りゅうから漏れだし、激しい頭痛を起こすことがあります。
それが前ぶれ発作であれば短時間で治まりますが、
そのまま治療を受けずにいると、わずか数日ののちに動脈りゅう破裂を起こす場合もあるのです。
とくに、下表に挙げた脳卒中の危険因子に当てはまる人は
発症しやすい状態であることを自覚し、充分に注意する必要があります。
と同時に、すぐにでも生活改善を実行し、誘因となる生活習慣病をきちんと治療して
前ぶれであれ本格的であれ、発作を起こさないよう予防に努めることが第一です。
万が一、脳卒中のような症状を感じたら、ごく短時間で治まったとしても、決して安心してはいけません。
できるだけ早く、かかりつけ医か脳神経外科などの専門医を受診してください。
また、少しでも様子がおかしいと思われる場合は、ためらわずに救急車を呼びます。
「すぐに治まるかも…」と、自己判断で様子をみるのは、大変に危険です。
脳卒中の発作は、起こってから手当てまでの時間が一刻を争いますので、ただちに119番へ連絡するようにしましょう。

脳卒中の危険性を高めるもの
生活習慣病と肥満

高血圧、糖尿病、脂質異常症などの生活習慣病は、動脈硬化を促進し、脳卒中の大きな引き金となる。
とくに高血圧は関係が深く、しっかりコントロールできるかどうかが、脳卒中予防の決め手。
肥満は生活習慣病の元凶で、間接的な危険因子となる。

喫煙と過度の飲酒

タバコは血圧を上昇させ、血管を傷つけて動脈硬化を促進するなど百害あって一利なし。
また飲酒も、度が過ぎると高血圧、糖尿病などを誘発し、脳卒中につながる危険性が大。

心臓病

とくに、心房細動による不整脈があると、心臓内に血栓ができやすく
それが脳まで流れて脳梗塞の原因となる。

性格とストレス

イライラしやすい、怒りっぽいなどの性格や、たまったストレスは、生活習慣病の呼び水。

年齢と家族歴

50歳を越え、家族や親戚に脳卒中(とくにくも膜下出血)を起こした人がいたら、充分注意する。

その時どう対応するか?

脳卒中が起こった場合、以前は動かさないようにといわれていましたが、
現在では一刻も早く病院に運び治療を受けるのがよいとされています。
一般に、発症から3時間以内に治療を受けることが重要だといわれているからです。
あなたの身近な人が突然倒れたら、ともかく気持ちを落ちつけて、
下図の手順で迅速に対応してください。
家族に脳卒中を起こしそうな人がいる場合には、日頃から対応の仕方を覚えておくようにしましょう。
また、職場の人にも伝えておけば、万が一の時の備えになります。
もし自分が発作に襲われたら、すぐに家族や近所の人、知人などに電話して助けを求め
かかりつけ医か救急への通報を頼んでください。
脳卒中の症状を理解し、前ぶれ発作を放置せず、いざという時の対処法を確認しておく。
それが、一命をとりとめ、その後の後遺症を最小限に抑えるための、決め手となるのです。

119番通報時のポイント ※落ちついてはっきりと
119番をダイヤルする

局番は不要です。

「救急車をお願いします」

救急か火事かを伝える。

「○○市△△町1丁目1番地1号です」

住所と、目印となる建物があれば、はっきりと伝える。

「私は○山○子です」

通報者の名前を伝える。

「0557-○○-××××です」

通報者に連絡のつく電話番号を伝える。
携帯電話の場合は、電源を切らないでおくこと。

「○山○男、男性○歳が、突然右手や右足が動かなくなりました」

患者の名前、性別、年齢、症状などを伝える。

突然こんな症状が起こったら脳卒中が疑われます

片方の手足や顔半分が麻痺したり、しびれる
ろれつが回らない、言葉が話せない
力はあるのに、立てない、歩けない、フラフラする
片方の目が見えない、視野が半分欠ける、物が2つに見える
初めて経験するような激しい頭痛がする

1.すぐに119番通報する

その際に、次の点についてよく確認し、伝える。
どのような症状か
意識があるかどうか
吐いているかどうか
麻痺があれば、身体のどちら側か
※通院治療中であれば、かかりつけ医にも連絡を入れる

2.安全な場所に寝かせ、楽な姿勢で安静を保つ

ベルトやネクタイなど、身体を締めつけるものは緩める。
本人が歩けるといっても、立ち上がらせたり歩かせたりしない。
嘔吐する場合があるので、下図のように身体を横向きにする。
脳の血流量が減少するので、頭を高くしないように。
姿勢 ・横向きにして気道を確保する
・手を入れて頭を安定させる
・麻痺がある場合は麻痺側を上に
・ベルトやネクタイは緩める
・脚を曲げて身体を安定させる

3.救急隊に状況を伝える

患者の様子や倒れた時の状況について説明をする。
家族以外であっても状況を知っている場合は、
医療機関につき添って、医師の質問に答えるようにすると、治療の大きな手助けとなります。