伊豆に暮らす

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骨粗鬆症対策+転倒予防対策でお年寄りの骨を守る

厚生労働省の調査によると、
65歳以上で介護が必要になった人の約11%は、「骨折・転倒」が原因であることがわかりました。
ちょっとしたことで骨折しやすく、またそのまま寝たきりになることも多いなど、
お年寄りの骨は大きな危険にさらされているといえます。
そこで今回は、骨の健康を保ち、さらには転倒を防いで、骨折から身を守る「コツ」を特集します。

なぜ骨折しやすくなるのか?

お年寄りが骨折しやすくなる背景には、骨粗鬆症という骨の病気が潜んでいます。
骨が弱くもろくなる骨粗鬆症は、加齢に伴って起こることが多く、
50歳代以降から患者数は増加し、その数は1100万人ともいわれています。
またお年寄りは、筋力や身体のバランスを保つ能力が衰えたり、
視力も低下していくため、日常生活の何げない場面で転倒しやすくなります。
意外なことに、転倒事故の半数以上が、住み慣れた家の中で起きており、
例えば敷居のわずかな段差につまづいて転倒、というケースも決して少なくありません。 つまり、骨粗鬆症で弱くなった骨が、ちょっとした転倒を原因に簡単に折れてしまう、
これがお年寄りの骨折の特徴なのです。
ご自分の骨を骨折から守るには、骨粗鬆症の予防と対策を心がけ、
また転倒を防ぐ工夫を講じることが重要なポイントとなります。
それは同時に、寝たきりにならないための取り組みであることも、ぜひ忘れないでください。

骨粗鬆症の対策と予防

骨の断面 骨粗鬆症は、骨の量が減少するとともに、
骨の内部の構造が変化してスカスカになり、
全身の骨が非常にもろくなっていく病気です。
そのため、通常なら骨折しないような
軽い力が加わっただけでも、
簡単に折れてしまうのです。

病気のメカニズム

私たちの骨は、破壊と再生をくり返し、絶えず新しいものへとつくり替えられています。
これを骨代謝といい、おもに古い骨を破壊する破骨細胞と、
新しい骨をつくる骨芽細胞によって、新陳代謝が行なわれているのです。
通常は、この破壊と再生のバランスが保たれ、骨は健康な状態を保っています。 ところが、老化などが原因でこのバランスが崩れると、
破壊が再生を上回り、骨がどんどん弱くなってしまうのです。
このような仕組みで骨粗鬆症は起こります。
とくに骨の内部の海綿骨は、骨代謝が盛んなため、骨粗鬆症が進行しやすい部位です。

女性と骨粗鬆症

女性ホルモンのひとつであるエストロゲンは、骨の破壊を抑えたり、
カルシウムが骨に沈着するのを助けるなど、骨代謝を正常に保つ重要な働きをしています。
女性の場合、50歳前後の閉経の頃に、女性ホルモンの分泌が急激に減少するため、
骨量も急速に減って、骨粗鬆症を起こしやすくなります。
事実、患者数の8割は女性であり、また65歳以上の女性の半数は、骨粗鬆症が疑われるといわれています。

症状と骨折

骨折しやすい部位 初期には自覚症状がほとんどありませんが、
骨粗鬆症が進み、骨の強度が低下すると、
背骨が身体の重みに耐えられずにつぶれてしまう、
圧迫骨折が起こりやすくなります。
すると、
・背中が丸くなる
・腰が曲がる
・身長が縮む
・腰や背中が痛む
などの症状が現われてきます。 また、ちょっとした転倒でも、すぐに骨が折れやすくなってしまいます。
とくに骨折しやすいのは右図の部位で、
これらは海綿骨の割合が多く、しかも負荷のかかりやすい場所です。
なかでも大腿骨(太ももの骨)の骨折は、
寝たきりの原因となりやすく、充分な注意が必要です。

対策と予防
骨を元気にする食事

骨を丈夫にする栄養素 まず、骨をつくるのに不可欠なカルシウムを、充分に摂ることが必要です。
骨粗鬆症の対策としては、1日800mgを目標に摂取したいものです。
日本人のカルシウム摂取量の平均は、約530mgといわれています。
具体的には、毎日の食事で、
あと200mg以上のカルシウムを加えるような工夫が必要です。 牛乳や乳製品、大豆食品、緑黄色野菜、海産物などから、
まんべんなく摂るようにすれば、
食事内容もバランスのとれたものになります。
と同時に、積極的に摂取したいのが、ビタミンDとビタミンKです。
これらの栄養素は、
カルシウムの吸収をよくし、骨の形成を助ける働きをしてくれます。
とくにビタミンDは、
最近、身体のふらつきを抑える作用のあることがわかり、
不足しているお年寄りには、
骨折が起こりやすいというデータも報告されています。
このような食事の改善は、年をとってからでも有効ですし、
もちろん若い頃から心がければ、骨粗鬆症の予防につながります。

運動で骨を強くする

運動して骨に力がかかると、骨の中や周囲の血流がよくなるので、
骨を形成する細胞の働きが高まって、骨量が増加します。
50歳代以降の方にお勧めなのは、ウォーキングです。
無理をせず自分のペースで、できれば毎日歩くようにしましょう。
同時に筋肉の衰えも防げるので、転倒防止にもひと役かってくれます。
また、掃除や買い物などで積極的に身体を動かすことも、運動と同じ効果があります。

自分の骨を知る

目に見えない骨の病気だけに、定期的に検診を受け、自分の骨の状態を知っておくことが大切です。
現在、多くの自治体では、おもに女性を対象に、骨粗鬆症検診が行なわれています。
このような機会を利用し、とくに閉経後の女性やお年寄りは、1年に1回は検診を受けるとよいでしょう。 検査は、骨の中のカルシウム量(骨量)の測定と、
エックス線検査で骨の状態などを調べますが、いずれも簡単な方法で、痛みを伴うようなものではありません。
また、整形外科、婦人科、内科などで行なわれていますので、
「転ばぬ先の杖」として検査を受けることをお勧めします。

心がけたい転倒予防対策

住まいの環境改善 年をとると、筋力やバランス感覚、
反射神経などが低下して、
どうしても転倒しやすくなります。 毎日暮らしている家の中が、
危険な空間へと変わることも多く、
住まいの環境をよく見直してみることは、
転倒防止の大きな決め手となります。
右図は、そのポイントとなる箇所です。
あなたのお宅は大丈夫ですか?
また、下半身
とくにふくらはぎ、太ももの前面、お尻の筋肉を鍛えると、
立つ、座る、歩くなどの動作が安定し、
最近は、お年寄りを対象とした
転倒予防教室が、お住まいの地域で開催されています。
こうした専門家の指導も、ぜひ受けておきたいものです。