伊豆に暮らす

伊豆に暮らす 〜健康暮らし応援隊〜絆

女性のうつ病

女性がうつ病にかかる割合は、10〜24%といわれ、男性の約2倍にものぼります。
それは、妊娠、出産、更年期といった女性特有のライフサイクルや、
それに伴うホルモンバランスの変化が、うつ病の発症と密接に関係しているからだといわれます。
そこで今回は、女性にとって要泣意の「産後のうつ病」と「更年期のうつ病」をとりあげます。

うつ病という病気

人の心は、いつも元気というわけにはいきません。
大きな失敗をしたり、物事が思うようにいかないと、気分が沈んで落ちこむことはよくあります。
でもたいていは、何日か経てば、「また頑張ろう」と、元気が湧いてくるものです。
うつ病とは、こうしたいわば「心のエネルギー」が、低下してしまう病気です。
憂うつな気分の状態が何日も続き(2週間以上)、
それに伴って身体の不調が強く現われ、日常生活に大きな支障をきたします。
うつ病がもたらすさまざまな症状は、
朝起きた時に最も強く、夕方から夜にかけて楽になる、という現われかたが多くみられます。
そのこともあって、本人も周囲も「気持ちの問題」とか「疲れのせい」などととらえやすく、
うつ病を見逃してしまうケースも少なくありません。 また、一般にうつ病は、何らかのストレスがきっかけで発症することが多い病気です。
仕事上のミス、職場の人間関係、過労、家族の不和、肉親の死などは、明らかに大きなストレスとなるものですが、
人によっては結婚や出産、昇進といった喜ばしい出来事が引き金になることもあります。
それは、うつ病の発症が、その人の性格にも深く関わっているからです。
「うつ病になりやすい性格」とは、真面目で責任感が強く、何ごとにも熱心に取り組む、几帳面なタイプです。
さらに、人に頼まれると断れず、何でも一人で抱えこむという傾向があります。
しかし一方では、他人の評価を気にしすぎたり、考え方に柔軟性が乏しい面もうかがえ、
気持ちの切り替えがうまくいかず、ストレスを抱えやすい性格でもあるのです。
つまりうつ病は、「うつ病になりやすい性格」の人が、心理的なストレスや身体的なストレスにさらされ、
その状況に対応しようと頑張ったけれど、心身のエネルギーを使い果たしてしまうというように、
複合的な要因がからみあって発症することが多いのです。
また、うつ病の発症に大きな影響を及ぼすものとして、ホルモンバランスの乱れが挙げられます。
とくに女性の場合は、月経、妊娠、出産、閉経と、女性ホルモンが大きく変動する時期があるため、
男性よりも、うつ病を発症する危険性が高いといえるのです。

うつ病の主な症状
心の症状
身体の症状

女性に特有のうつ病

女性の一生のなかで、とくに女性ホルモンの分泌量が急激に変化するのは、産後と更年期です。
それに加えて、これらの時期は、生活環境が大きく変わるため、
身体的にも精神的にも、うつ病を起こしやすい状態だといえるのです。

産後うつ病

産後うつ病の発症 出産は女性にとって大きな喜びであるはずなのに、
母親になったことが実感できない、
わけもなく涙があふれてくる、
不安になってイライラするなど、
心身の不調を訴えるケースは少なくありません。
これらの症状はマタニティーブルーと呼ばれ、
妊娠中に増加していた女性ホルモンの分泌が急激に低下して、
自律神経のバランスが乱れるために起こります。
マタニティーブルーは、出産した女性の10〜30%が経験するといわれ、
長くても2週間ほどで治まる、一過性のごく軽いうつ状態といえるものです。 しかし、このような気分の落ちこみがきっかけとなり、
その後にうつ病を発症してしまうことがあるのです。
産後は、出産前と違い、育児に追われて、
ゆっくり睡眠をとったり食事をしたりということが、思うようにいきません。
一日の大半は子どもと二人、という状況もあるでしょう。
そうした環境の変化が大きなストレスとなると、どんどん心身の過労状態に陥ってしまいます。
また、夫が育児に無関心な場合などは、
「全部一人でやらなければ」というプレッシャーが、精神的な負担となってのしかかります。
「真面目で几帳面」な性格の人では、
育児が思うようにはかどらないと、「母親失格」と自分を追いつめることにもなりかねません。
これら出産後の生活の変化が、マタニティーブルーに追い打ちをかけ、うつ病発症の大きな要因となるのです。
産後うつ病が重くなると、子育てに大きな影響を及ぼします。
本人はもちろん、周囲の人も充分注意をし、うつ病のサインを見逃さないことが重要です。

更年期うつ病

更年期うつ病の発症 女性は、40歳を過ぎた頃から卵巣の働きが低下し始め、
女性ホルモンの分泌が減少し、やがて閉経を迎えます。
その前後の期間を更年期といいますが、
この時期にも自律神経の乱れから起こる、さまざまな不調が現われます。
いわゆる更年期障害と呼ばれるもので、
ほてり、めまい、不眠、肩こり、冷え、頭痛など身体の症状から、
憂うつ、不安、寂しさといった精神症状まで、そのつらさは多種多様です。
これらは程度の差こそあれ、うつ病の症状とよく似かよっています。
いわば更年期は、女性の身体の転換期にあたるわけですが、
それに加えて生活面でも、いろいろな変化を迎える時期だといえます。 例えば、近親者の介護が始まったり、また死別を迎えたり、
夫婦関係で悩むことも多くなってきます。
子どもが就職や結婚などで自立して、
無性に寂しさを感じる(空の巣症候群)こともあるでしょう。
さらに生活習慣病世代となったことで、自分の健康に対する不安を、身にしみて感じる時期でもあります。
これらのストレスが更年期障害と相まって、うつ病の発症へとつながっていくのです。
更年期で気をつけなければいけないのは、気分の落ちこみや身体の不調を、更年期障害と決めつけてしまうことです。
憂うつな気分に長期間悩まされている場合は、うつ病の可能性も疑って、早めに医師に相談することが必要です。

うつ病をのりこえるためのポイント

うつ病は、ストレスに負けまいと頑張りすぎたために起こる病気です。
つらさを感じたら、決して一人でがまんせず、家族や周囲の人に助けを求めてください。
そして、できるだけ早く、かかりつけ医や精神科・心療内科などの専門医を受診しましょう。 うつ病治療の基本は、まず充分な休養をとることです。
「うつ病になりやすい性格」の人は、家事や育児、仕事などをなかなか人まかせにできませんが、
ここはすっぱり気持ちを切り替えて、一日も早い回復のために心身をゆっくりと休ませてください。
家族の協力を得たり、地域の保健所や子育て支援センターを積極的に活用するのもよい方法です。
2つ目は、薬物療法など、専門的な治療を受けることです。
うつ病の発症には、脳内の神経伝達物質の変調が深く関係しているといわれます。
その改善に効果を現わすのが、抗うつ剤です。
現在使われている薬は、効果が高く、副作用や依存性の少ない安全なものですから、
医師の指示に従ってきちんと服用しましょう。
ただし、効果が現われるまでには、ある程度の期間が必要なので、あせらず気長に服薬を続けることが大切です。
さらには、家族や周囲の人の温かい心遣いも欠かすことができません。
家事や育児を分担したり、患者さんの訴えに共感をもって耳を傾けるなど、
心身のストレスが軽減するようにサポートしてください。
その他、下記のような点に気をつけて、回復を見守ってあげましょう。
また女性自身も、うつ病について正しく理解し、
月経時や妊娠中、出産後、更年期などの不安定な時期には、より一層体調管理に努めましょう。
趣味や娯楽を見つけ、積極的にストレスを解消することも、うつ病予防に効果的です。

家族や周囲の人の接し方