伊豆に暮らす

伊豆に暮らす 〜健康暮らし応援隊〜絆

肝臓がん対策の最新情報

日本人の死亡原因の第1位であるがん。
そのなかで肝臓がんの死亡者は、平成18年度で約34,000人にのぼり、
部位別では肺がん、胃がん、大腸がんに次いで4位を占めています。
しかし大部分の肝臓がんでは、発生の仕組みがはっきりとわかっており、
予防や早期の発見・治療など、対策が講じやすいともいえるのです。
今回は、肝臓がんにならない、負けないための対策を、最新情報を交えてお伝えします。

肝臓がんの特徴

肝臓がんの分類と原因 肝臓がん(肝がん)は、大きく分けると
最初から肝臓に発生する原発性肝がんと、
胃や大腸など他の臓器にできたがんが
転移して起こす転移性肝がんの、2種類に分類されます。 そのうちの原発性肝がんには、
さらに、肝臓の細胞から発生する肝細胞がんと、
肝臓内の胆管(胆汁の通り道)に起こる胆管細胞がんの
2種類があります。
しかし、その割合は、
肝細胞がんが約95%と大多数を占めるため
一般に肝がんといえば肝細胞がんのことを指していいます。
ここでも、肝がん=肝細胞がんとして、話を進めていきます。
さて、肝がんは、他の臓器のがんと違い
おもな発生要因が明らかになっているという特徴があります。
突然にがんが発生するのではなく、慢性の肝臓病(慢性肝炎や肝硬変)がその下地にあり、
長い期間にわたって肝細胞の炎症と再生が繰り返された結果、肝がんが発症するものと考えられているのです。
下地となる慢性疾患の大部分は、肝炎ウイルスの持続感染(6か月以上感染が続く)が原因となって起こります。
つまり日本人の肝がんは、ウイルスによる感染症(肝炎)が、そのおおもとにあるといえるわけです。
なかでも肝がんとの関係が深いのが、B型・C型の2種類の肝炎ウイルスです。
事実、統計によると肝がんの約80%はC型ウイルスによる肝炎が、
また、約15%はB型ウイルスによる肝炎が、その原因だとされています。
とくにC型肝炎は、はっきりした自覚症状がないため、
見過ごされてしまうことが多く、容易に慢性化しやすいという恐ろしさがあります。
また、長い時間をかけて肝臓をむしばみ、肝硬変から肝がんに進展する危険性がたいへん高くなっています。
もちろん、肝炎ウイルスに感染した人、あるいは肝炎にかかった人が、必ず肝がんになるわけではありません。
しかし、一方で肝がんになる危険性が高いかどうかがわかっていれば、予防や早期発見の大きな手がかりとなるのです。
肝がん対策においては、
B型・C型肝炎ウイルスに感染しているかどうかを知ることが、まずその第一歩だといえるでしょう。
C型肝炎から肝臓がんへの経過

肝臓がんを防ぐ

肝がんの元凶となる肝炎ウイルスですが、
現在、そのキャリア(ウイルスをもっている人)は、B型・C型を合わせて全国に約350万人いると推計されています。
しかし、その多くは、検査や治療を受けておらず、感染に気づいていないというのが実情です。
症状のあるなしにかかわらず、とくに40歳を過ぎた方で、
まだ一度も検査をしたことのない人は、ぜひ肝炎ウイルス検査を受けるようにしましょう。 なかでもC型肝炎ウイルスは、「輸血や血液製剤」「予防接種の注射」など、
過去の医療行為によって感染したケースが多くを占めます。
そのため厚生労働省は、とくに下記に該当する方に対して、検査を受けるよう勧めています。

最近では、定期的な特定健診と併せて行なわれる場合もありますが、
お住まいの地域の保健所や医療機関などでも受けることができます。
ただし、具体的な実施機関、実施日程、費用などは、地域によって異なりますので、
詳細については、各自治体に問い合わせをしてください。
検査自体は、血液を採取して行なわれ、わずかな時間でできるものです。 検査の結果、肝炎ウイルスの感染が判明しても、ALT(GPT)やAST(GOT)など、
肝機能の検査値に異常が認められなければ、治療の必要はありません。
ただし、定期的な検査によって、監視を続けることは必要です。
また、肝炎を発症していた場合でも、決して悲観的になることはありません。
肝炎に対する治療法は飛躍的に進歩しており、
適切な治療を行なえば、肝硬変や肝がんへの進展を防ぐことができるのです。
B型肝炎に対しては、従来から行なわれてきたインターフェロン治療に加え、
内服の核酸アナログ製剤(抗ウイルス薬)を用いることで、
ウイルスの数を減らし、肝機能を正常化する効果が高まっています。
一方、C型肝炎においても、効果が持続するペグインターフエロンと、
抗ウイルス薬リバビリンの併用治療によって、肝炎の治療効果は格段に向上したのです。
このC型肝炎のインターフェロン治療には、2008年の4月から医療費の助成制度が始まっています。
自己負担の上限を月額1〜5万円と定め、それを超えた分を国が助成する制度です。
また厚生労働省は、2008年度から「肝炎研究7ヵ年戦略」をスタートさせ、
肝炎の研究・治療に積極的に取り組む方針を打ちだしました。
ともあれ、肝がん予防の大前提は、自主的に肝炎ウイルス検査を受け、
ウイルス感染や肝炎の段階で発見し、専門的な診断・治療を受けることだといえるのです。

肝臓がんと闘う

最近では、画像検査も著しく進歩し、ごく小さな肝がんも発見できるようになりました。
また医療技術の発達により、さまざまな肝がんの治療法が開発されています。
具体的には下記のような治療法がありますが、 1.がんの数と大きさ
2.できている場所
3.肝機能の状態
などを総合的に判断し、患者さんに合わせた最も効果的な方法で行なわれます。
肝がんは、慢性肝炎や肝硬変を経て発症するため、患者さんの多くは、肝機能が低下しています。
したがって、治療においては、がんを治すと同時に
すでに低下した肝機能をなるべく損なわないことが目標になります。
逆にいえば、がんが発症しても、肝機能がよければ治療の選択肢は増え、根治する可能性も高まるのです。
そうした意味からも、他のがんと同様、早期発見の意義はたいへん大きなものです。
慢性肝炎と診断された方は半年に1回、肝硬変の患者さんでは3か月に1回、
医師の指示に従って定期検査を必ず受けるようにしてください。

肝切除術

肝切除術 手術によって、がんを含む肝臓の一部を切除する方法で、
最も確実な治療法。
ただし、肝機能が悪い場合は行なえない。
手術法の進歩により
できるだけ肝臓を残して、
出血も抑えられるようになり、安全性は高い。

ラジオ波焼灼療法

ラジオ波焼灼療法 身体の表面から、直接がんに針を刺し
ラジオ波を流して熱を発生させて
がんを焼き切ってしまう治療法。
1回の通電は15分程度、入院は約1〜2週間と、
小さながんなら、短期間での治療が可能となる。

エタノール注入療法

エタノール注入療法 これもがんに直接針を刺し
純度100%の工タノール(アルコール)を注入して、
がんを死滅させる方法。
がんの大きさが3cm以下、数が2〜3個の場合に適用される。
患者さんの身体への負担が少ない。

肝動脈塞栓術

肝動脈塞栓術 がんに栄養を供給している肝動脈をふさぎ、
兵糧攻めにする治療法。
脚のつけ根からカテーテルを入れて肝動脈まで通し、
抗がん剤と血管をふさぐ物質(ゼラチンスポンジ)を注入して
血流を止め、がんをたたく。

リザーバー動注療法

リザーバー動注療法 抗がん剤(5-FU)やインターフェロンを、
持続的に注入する方法。
肝動脈に通したカテーテルを、
皮膚に埋めこんだリザーバー(薬剤注入□)につなぎ
そこへ針を刺して、外部のポンプから薬剤を送りこむ。