伊豆に暮らす

伊豆に暮らす 〜健康暮らし応援隊〜絆

糖尿病も予備群も 合併症を防ぐ生活でイキイキと

現在、日本の糖尿病患者数は約800万人、
また「糖尿病の可能性を否定できない」糖尿病予備群は1000万人以上。
なんと、成人の6人に1人は、血糖コントロールが必要になっているのが現状です。
そんな日本人の糖尿病の9割を占めるのが、生活習慣がおもな原因の2型糖尿病です。
今回はこれに焦点を当て、
血糖値が高いとなぜいけないのか… 治療のための生活習慣を上手に続けるには… を考えます。

健診結果の血糖値はいかがでしたか?

2008年4月から始まった特定健診、もう受けられた方も多いでしょう。
この健診結果の、糖尿病あるいは血糖値の欄に
【空腹時血糖】(mg/dl)と
【HbA1c ヘモグロビンエーワンシー】(%)という項目があります。
糖尿病か否かを判定する基準となる数値です。 ここで、空腹時血糖が126以上(HbA1cは6.5以上)の場合は、糖尿病と判定されます。
ただし空腹時血糖が125未満であっても、
110を越えている場合(HbA1cは5.6以上)は、
糖尿病になる可能性が高い「糖尿病予備群(境界型)」に当てはまるのです。
該当する人は、糖尿病ではないものの、
血糖値を下げる生活、血糖コントロールが必要となります。
なぜなら、予備群の時点からすでに、糖尿病の合併症が進行しているからです。
血糖値をコントロールする生活習慣は、一度習慣になってしまえば、とくに苦痛ではありませんが、
習慣化するまではくじけそうになるものです。
そんな時期を乗り切る後押しをするのは、糖尿病に関する正しい知識です。
近年は糖尿病という病気の認知度が高くなり、糖尿病の怖ろしい点は合併症にあることもよく知られてきました。
しかし、糖尿病になったら「失明する」とか「足が腐る」といったイメージが先行していることもあるようです。
糖尿病は決して甘く見てはいけませんが、かといって悲観する病気でもありません。
まずここで、正しい糖尿病の知識をもって、血糖コントロールの大切さを理解してください。

空腹時血糖とHbA1c(ヘモグロビンエーワンシー)

空腹時血糖は、10時間以上絶食したあとに採血した血液中の、ブドウ糖の量です。
糖尿病は126mg/dl以上、予備群は110mg/dl以上となっています。
しかし最近では、空腹時血糖値が正常値内でも、
食後に急激に血糖値が上がる「隠れ糖尿病」が増えていることから、
100〜109mg/dlは、生活改善が必要な「正常高値」と定められました。
HbA1cは、赤血球にあるヘモグロビンにブドウ糖が結合したものです。
これがヘモグロビンのなかでどれくらいを占めるか、%で表わします。
過去1〜2か月間の血糖の状態がわかり、
糖尿病の治療中にも、血糖コントロールの成果の目安になります。
この数値は、食事の影響を受けません。

動脈硬化が合併症を起こします

動脈硬化が起こる仕組み 血液中の糖が多い(高血糖)状態は、
血管を傷つけ、
動脈硬化を急速に進めます。 ※右図 糖尿病の合併症は、
多くがこの動脈硬化によって発症します。
まずは糖尿病の「3大合併症」と
いわれる病気をみてみましょう。

糖尿病神経障害

神経障害による症状 もっとも患者数が多い合併症です。
末梢神経(感覚・運動・自律)が傷ついたり、
血行障害によって
神経細胞に栄養が行き届かなかったりして起こります。
障害された神経によって、
特有のさまざまな症状が現われます。 ※右図

糖尿病網膜症

目の網膜にある毛細血管が障害され、視覚異常や網膜剥離を起こすものです。
網膜の異常は、失明につながることもあります。

糖尿病腎症

腎臓の「糸球体」に集まっている毛細血管が動脈硬化で傷み、腎臓のろ過機能が低下します。
早期のうちは治療によって腎機能を改善することも可能ですが、
放置すると最終的には腎不全となり、透析療法が必要となります。

これらの合併症は、細い血管の動脈硬化によって起こり、糖尿病を放置していると、5〜10年の間に発症します。
一方、太い血管でも動脈硬化は進んでいます。
これによって引き起こされるのは、心筋梗塞や脳卒中という、命にかかわる重大な病気です。
しかも、このような太い血管の動脈硬化は、
血糖値が境界型の範囲でも、すでに進んでいることがわかっています。
最近は、高血糖が招く心筋梗塞や脳卒中が増加しているため、糖尿病の合併症として問題視されています。

治療をするのは患者さんです

糖尿病の怖さを先にお話ししましたが、合併症は、糖尿病になると必ず発症するわけではありません。
治療によって、合併症は充分防ぐことができ、健康な人と変わらない日常生活を送ることができます。 しかし逆に糖尿病を放置すれば、確実に進行します。
糖尿病の治療は、
合併症を起こさせない
進行させない
血糖値を正常値に近づける
ことを目的とした、血糖コントロールです。
もちろん、糖尿病予備群の人も同様です。
糖尿病の治療法は、食事療法、運動療法、薬物療法の3本柱です。
基本的には、食事と運動で血糖値の改善を目指し、これで血糖値が下がらない場合は、薬物療法が加わります。
薬物療法には、経口薬とインスリン注射があります。
ここでは、基本でありながら挫折もしやすい、食事療法と運動療法について考えましょう。

食事療法

食事療法というと、味気ない食事のイメージがあるかもしれません。
それも、食べすぎ・飲みすぎだった人にとってはなおさら、制限が多いものになります。
しかし、血糖コントロールのための食事は、食べてはいけないものはなく、
適正エネルギー量の範囲でバランスのよい食事をすればいいのです。
この食生活は、高血圧や脂質異常の改善・予防にもなり、健康を維持したいすべての人におすすめできます。

運動療法

運動をすると、血液中の糖が筋肉に取りこまれ消費されます。
そして、運動の習慣を継続していくと、膵臓から分泌されるインスリンの作用が高まります。
運動が血糖値を下げる効果には、この2つの側面があり、血糖コントロールに非常に有効なのです。
その他、筋肉量が増えれば基礎代謝が高まり、
太りにくい身体になるなど、運動の習慣で得られるものは数多くあります。
ただし、運動が制限されるケースもあるので、
現在、糖尿病を含め慢性疾患を治療中の人は、かかりつけ医に必ず相談してください。

さて、このような習慣が正しいことはよくわかっていても、半分以上の方が、生活習慣の改善で挫折を経験します。
しかし、たとえ挫折をしても、そこで投げださずに、方法を変えて何度でも挑戦することが大切です。 糖尿病の治療は、医師ではなく患者さん自身がするものなのです。
まず、最初から食事・運動と完ぺきな生活習慣を決めて始めるのではなく、
下図のなかで、できることから1つずつ習慣にしていきましょう。 ときには脱線してもいいのです。
完ぺきでなくてはいけないと思うと、疲れてしまって長く続きません。
血糖値には、ストレスも悪影響を及ぼしますから、血糖コントロールそのものがストレスとなっては意味がありません。
目標のハードルを下げて、1つずつクリアしながら、達成感を励みにしましょう。
また、何年も続けていると、始めのように血糖値が下がらなくなってきたり、投げだしそうになったりします。
そんな時は1人で抱えこまず、かかりつけ医になんでも話して、アドバイスを求めてください。

食事・運動療法のポイント