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ほとんどの女性がガマンしています… 月経前症候群(PMS)

なんだか「イライラする」「下腹が重い」「頭が痛い」…
そういえば、もうすぐ生理だ…という経験、ありませんか?
生理、つまり月経には、たいてい、さまざまな体調の変化が伴うものです。
その症状や度合いは、人それぞれ違いますが、
月経が始まる前に心身の不調を感じる女性は、約8割といわれます。
これらの症状を総称して、月経前症候群といいます。
本人がつらいだけでなく、家庭や職場などでトラブルの原因になることもあるため、
男女を問わず、広く認識していただきたいテーマです。

どんな症状が月経前症候群?

月経前症候群はPMS(premenstrual syndrome 以下PMS)ともよばれ、
月経の前に現われる身体的および精神的諸症状の総称です。
その種類は、150〜200種類といわれるほどさまざまで、
よくみられる症状だけでも、下表のように多岐にわたります。
また、これらの症状は、単一で現われるより複数重なって現われるのが一般的です。

PMSのいろいろな症状
身体的症状
精神的症状

症状の強さにも個人差が大きく、また、同じ人でもいつも同じ強さとは限りません。
がまんしてやり過ごせる人もいれば、
2〜3日は家事も仕事もできない、寝こんでしまう、というほど重いケースもあります。
このような、日常生活に支障をきたすほど症状が重いタイプは、PMSの約5%にみられ、
月経前不快気分障害といっています。
PMSは、他のさまざまな疾患でもみられる症状です。
したがって、他の病気が原因ではないか、きちんと検査しておく必要もあります。
診断には症状だけでなく、下表のような特徴が当てはまるかどうかが目安になります。

PMSの特徴

なぜこんな症状がでるの?

女性の身体は、月経周期によってホルモン分泌量が変化します。
そのため月経前になると、体調になんらかの変化がみられるのが一般的です。
しかし、PMSは周期的につらい症状に襲われるわけですから、単に生理現象として片づけられません。
PMSの原因については、多くの説が唱えられていますが、まだはっきりと解明されていません。 ただし、女性ホルモンのひとつ、
黄体ホルモンの分泌量が増える期間(黄体期:月経が始まる前の約2週間)に症状が出現することから、
黄体ホルモンが深く関わっていることは確かなようです。
精神的症状については、脳内の神経伝達物質「セロトニン」の分泌量が減ることが原因だといわれています。
セロトニンは、気分の落ちこみや高ぶりを平静にする作用がある物質です。
女性は月経の前になると、セロトニンの分泌量が低下するため、さまざまな精神的症状が現われると考えられています。
また一方では、同じく神経伝達物質のβ−エンドルフィンが、
月経前になると急激に低下するため、このような症状が現われる、ともいわれています。
症状の出現や強さは、心身の健康状態にも影響されます。
生活環境の変化、人間関係のストレス、疲れがたまっている時、睡眠不足といったことが、
PMSを引き起こしたり、症状を悪化させたりします。

PMSは治せる?

PMSの治療は、現在つらいと感じている症状をできるだけ緩和する、対症療法となります。
PMSそのものが起こらないようにすることは、残念ながらできません。
しかし、頭痛に悩まされている人には鎮痛剤、
むくみが強い人には利尿剤、うつ症状が強い人には向精神薬を処方する、
という薬物療法がとても効果を上げています。
漢方薬がよく効く例も多く、ビタミンB6などのビタミン剤や、経口避妊薬が効果を現わしたりするケースもあります。
たいていの症状に、それに対応した薬があるので、あきらめずに専門医に相談してみましょう。

月経周期の例 しかしPMSは、日常生活における
セルフケアによっても、大幅に軽減できます。
まずは、基礎体温を測ることを習慣にしてください。
黄体期は基礎体温が上がり、
10日あまりで月経が始まります。
2か月ほど記録して、
ひと月ごとに一覧表を折れ線グラフにしてみると、
自分の月経周期がわかります。
そして、体調の変化があった日には、
グラフにその内容も書きこんでおきましょう。
いつ頃、
どんな症状がでているかが把握できるでしょう。
体温が上がってから月経が始まるまでの期間に、
毎回体調をくずしたり情緒不安定になるようなら、
PMSと思われます。
これまで、頻繁に起こる体調不良で悩んでいた人が、
この記録をつけてPMSだとわかり、
原因がはっきりしたことで症状まで軽くなった、という例も少なくありません。
また、症状が起こる時期を予測できると、心構えができるせいか、精神的に楽になるようです。
仕事や外出の予定を調整する役にも立ち、受診の際にもこの記録がとても参考になります。
PMSについて、正確な知識をもつことは、治療の一環でもあるのです。
基礎体温を記録するほかに、日常生活でできるセルフケアはいろいろあります。
あまり気負わずに、普段の心がけとして覚えておくとよいでしょう。

PMSは受診の必要がある?

受診の必要性は、症状の度合いによって患者さんが判断することですが、
PMSは患者さん自身がつらいだけでなく、周囲の人が戸惑ったり気をつかったりすることも心配されます。
家庭や職場で仕事の能率が低下したり、人間関係でトラブルが起こると、
それが新たなストレスとなって、症状を悪化させることもあります。
こうしたリスクを考えると、無理をせず、婦人科を受診することをおすすめします。 黄体期の身体の変化は、ほとんどの女性が感じているもので、特別なことではありませんが、
毎月現われる症状はとてもわずらわしいものです。
薬の服用に抵抗があるなら、まずは日常生活でできることを実行し、少しでも楽にこの期間を乗り切りましょう。
また、他の病気をもっている場合は、PMSが現われると、その病気の症状まで悪化することがあります。
たとえば、自己免疫疾患、アレルギー性疾患、パニック障害などで、その傾向がみられます。
生理の前になると持病が悪化すると感じる人や、月経前不快気分障害の人は、早めに受診しましょう。

PMSのセルフケア