伊豆に暮らす

伊豆に暮らす 〜健康暮らし応援隊〜絆

年齢とともに増加する 白内障はこうして治す

他の臓器の場合と同様に、目の病気も、加齢とともにその危険性が高まってきます。
なかでも白内障は、40歳代から増え始め、
80歳代では90%以上の人がかかっているといわれる、中高年の代表的な目の病気です。
それだけに、この病気を正しく理解し、
40歳を過ぎたら、かすみ目、疲れ目など、目からのサインを見過ごさないことが大切です。

白内障という病気

目の構造 目の構造は、よくカメラにたとえられますが、
そのなかの水晶体は、
カメラでいえばレンズにあたる部位です。
外から入ってきた光を屈析させ、
見るものまでの距離に合わせて
薄くなったり厚くなったりして、
焦点(ピント)を調節する役割を果たしています。
この水晶体の働きによって、
フィルムの役割をする網膜に鮮明に像が映しだされ、
近くのものも遠くのものも、
はっきりと見ることができるのです。 水晶体は、薄い袋(前のうと後のう)に包まれており、
本来は無色透明をしています。
それがさまざまな原因で、白く濁ってしまうのが、白内障という病気です。
水晶体の主成分は水分とたんぱく質ですが、そのたんぱく質が変性することで、濁りが生じると考えられています。
最初は水晶体のごく一部、多くの場合、皮質の周辺から濁ってきます。
それが何年もかけてゆっくりと進行し、やがて皮質の中央部や核に広がります。
こうなると、水晶体はすりガラスのようになってしまい、光が本来とは違う方向に進んだり散乱したりして、
水晶体をうまく通過できなくなり、ものをはっきりと見ることができなくなります。
曇ったり汚れたりしているレンズではきれいな写真が撮れないのと、同じ原理です。
一般に、白内障の症状としては、次のようなものが挙げられます。

●目がかすむ、ぼやける… 目の前に霧がかかったようになり、ものが鮮明に見えなくなります。
●視力が低下する… とくに新聞などの小さな文字が読みにくくなります。メガネでは矯正できません。
●ものが二重、三重に見える… ピントが合いにくく、はっきりと見ることができません。
●まぶしく感じる… 明るい場所や日光が強くさすところで、強いまぶしさを感じるようになります。

白内障の仕組み では、水晶体は、なぜ濁ってしまうのでしょうか?
白内障の原因としてもっとも多いのは、
ズバリ加齢です。
つまり、水晶体の老化現象によって白濁が起こり、
その結果、白内障を発症するというわけです。
白内障の患者さんの90%以上は、
この加齢性白内障だといわれています。
元々、私たちの目は、40歳を過ぎた頃から、
老化に伴って水晶体が濁り始めるのが普通です。
そのため白内障は、
だれもがかかる可能性のある病気だといえるのです。
しかしながら、濁り方や進行のスピードには個人差があり、症状の現われ方は人によってまちまちです。
また白内障を発症しても、初期にはほとんど自覚症状がなく、
前述したような視覚障害が現われるのは、60代、70代になってからという人が大半です。
さらには、白内障の症状が老眼の症状と似ているため、年齢的な面から老眼ととり違えやすいということもあります。
そのため、中高年にありがちな病気にもかかわらず、白内障がかなり進行してから気づく人が多くなっているのです。
40歳を越えてものの見え方に異常を感じたら、
白内障の可能性も考えて、早めに眼科を受診し正しい診断を受けるようにしましょう。
なお、下記のように、加齢以外の原因で、白内障になることもあります。
これらのケースでは、原因となる病気の治療も欠かせませんから、
白内障が見つかったら、原因を見極めることも必要になってきます。

加齢以外の原因
他の目の病気

ブドウ膜炎から併発したり、網膜剥離や緑内障の手術の後に白内障が進行することがある。

他の身体の病気

糖尿病の合併症としてや、アトピー性皮膚炎の影響で起こることもある。

先天性白内障

遺伝や胎児期の感染症が原因で、生まれつき水晶体に濁りがある。

外傷性白内障

眼球を突いたり強打すると、水晶体がダメージを受け濁ることがある。

手術で視力をとり戻す

一度濁ってしまった水晶体は、元に戻ることはありません。
しかし白内障は、ゆっくりと進行し、また命にかかわるような病気ではないので、
患者さんが生活に不便を感じていなければ、点眼薬を用いるなどして、定期的に病気の進み具合を検査していきます。
ただしこの点眼薬は、白内障の進行を遅らせる効果しかありません。
そのため、白内障で失われた視力を回復させるには、
濁った水晶体をとり除き、「眼内レンズ」を入れる手術療法が、最も確実な治療法です。 手術を行なうタイミングは、患者さんの生活スタイルによって異なります。
例えば、「自動車の運転がしずらくなってきた」「パソコンの画面がよく見えなくなった」など、
患者さん自身が生活に不便を感じるようになった時が、手術の時期と考えればよいでしょう。 この手術はおもに、下図の超音波乳化吸引術という方法で行なわれます。
目の手術というと、怖いイメージを抱く人も多いと思いますが、
実際には局所麻酔で行なわれ、痛みもほとんどありません。
手術時間も10〜30分と短く、患者さんの身体的負担が少ない安全な手術です。
患者さんの希望や体調によっては日帰りも可能で、高齢者でも受けることができます。
また、健康保険が適用されるため、自己負担額は数万円程度になります。

白内障の治療法 超音波乳化吸引術

目に入れる眼内レンズは、水晶体とは違い、遠くにも近くにもピントを合わせることができません。
そこで、どの程度の距離にピントが合うレンズがよいか、
患者さんの生活スタイルに応じて、近距離、中距離、遠距離のうち、どれか1つに決めます。
例えば、
字を読むことが多ければ近距離を、車を運転することが多い場合には遠距離を、というように選ぶとよいでしょう。
近年では、遠くも近くもある程度見ることのできる、多焦点型のレンズも開発されています。
ただし、強い光が輪のように広がって、ものが見えづらくなるなど、今後の改良が期待されている段階です。
そのことも考え合わせ、レンズの選択は、手術前に医師と充分に相談し、決定するようにしましょう。
いずれにしても、レンズのピントが合う距離以外は、眼鏡を使って矯正しなければなりません。
手術の1〜3か月後、視力が安定した時点で眼鏡を作る必要があることも、覚えておいてください。
手術後には、すぐに視力が回復し、翌日には疲れない程度にものを見ることができます。
ただし、細菌感染や炎症を防ぐために、目の周りを清潔に保ち、汚れた手で触ったりしないようにしましょう。
また、医師の指示どおりに点眼薬を使用することも重要です。