伊豆に暮らす

伊豆に暮らす 〜健康暮らし応援隊〜絆

心臓が発する危険なシグナル 狭心症から身を守る

かたときも休むことなく働き続けている心臓。
もしもその心臓に、充分なエネルギーを供給できなかったとしたら…
そんな恐ろしいことが起こってしまうのが、狭心症という病気です。
あなたの心臓=命を守るため、狭心症の対策や予防を、しっかりと覚えておきましょう。

心臓に迫る危機 狭心症の病態

狭心症が起こる仕組 心臓は、心筋とよばれる筋肉でできており、
絶えず収縮と拡張を繰り返して、
全身に血液を送り出しています。
こうした働きを支えるため、
心筋に酸素と栄養分を供給しているのが、
周辺を取り巻いている冠(状)動脈という血管です。 この血管が動脈硬化などを起こして狭まり(狭窄)
血液がスムーズに流れなくなると、
その先の心筋に充分な酸素や栄養分が送れず、
心臓の働きが低下してしまいます。
このような血液不足の状態が一時的に起こるのが、狭心症です。
一方、冠動脈が完全につまって、血流が途絶えると、
その先にある心筋は死んで(壊死)しまい、元に戻ることはありません。
これが心筋梗塞で、命にかかわることもある大変危険な病態です。
これらをまとめて虚血性心疾患といいますが、今回は狭心症を中心に見ていきましょう。
まず狭心症は、症状の現われ方によって、次のようなタイプに分類できます。

労作時狭心症

階段を昇ったり、早足で歩くなど、身体を動かした時に現われるタイプです。
運動時には、心臓はより働かなければなりませんが、
そのための酸素や栄養が充分供給されないため、狭心症の発作が起こります。

安静時狭心症

睡眠中など、安静にしている時に起こる狭心症です。
冠動脈がけいれんを起こし、一時的に狭まってしまうことが原因で、発作が誘発されます。
(冠れん縮性狭心症)
動脈硬化が見られなくても起こるタイプです。

これら狭心症の発作が起こると、締めつけられるような圧迫感を伴う胸の痛みが、症状として現われます。
痛むのは胸の中心付近が多いのですが、
あごやのど、左肩、左腕、背中、胃、歯などに感じることもあります。(放散痛)
ただし、こうした痛みは我慢できる程度のことが多く、数分〜15分くらいで治まります。
それよりも長く続いたり、また耐えがたいほどの痛みであれば、
心筋硬塞が起こっている可能性がありますので、充分注意してください。
狭心症でとくに警戒しなければいけないのは、
初めて発作が起こった
発作の回数が増えた
発作の時間が長くなった
発作の間隔が短くなった
運動時だけでなく安静時にも発作が起こるようになった
などの場合です。
これらのケースでは、心筋梗塞を発症する危険性が非常に高まっている状態(不安定狭心症)だといえるので、
できるだけ早く病医院を受診することが重要です。

心臓を救う 狭心症の検査と治療

心筋梗塞を発症した人の約半数は、その直前の一週間以内に、前ぶれとして狭心症の症状を経験しているといわれます。
突然死にもつながる心筋梗塞を防ぐには、前段階でもある狭心症を見逃さず、しっかりと治療することが第一です。
少しでも胸の痛みや違和感を感じたら、医療機関で診断を受けるようにしましょう。 狭心症の検査としては、まず問診によって病状を詳しく確認し、心電図をとって心臓の活動状態を調べます。
異常が疑われた場合には、超音波によって心臓の状態を画像に映しだす心エコー検査や、
運動時の心電図を記録する運動負荷試験、24時間連続して心電図を調べるホルター心電計などの検査が行なわれます。
その結果、狭心症と診断されたら、細い管を冠動脈に送りこみ、
造影剤を注入してエックス線撮影をするカテーテル検査や、心臓を輪切りにした状態で撮影するマルチスライスCT、
心筋の状態を特殊なカメラで撮影する心筋シンチグラフィーなどで、病状をより詳細に検査します。
これら検査技術が発達したことで、冠動脈のどの部分が、どの程度狭窄しているかなどが、
画像によってはっきりと確認できるようになり、病状に応じた適切な治療に結びついています。
検査の結果から、
冠動脈の狭窄がそれほど大きくない場合や、安静時狭心症の場合には、薬物治療によって病状の悪化を防ぎます。
おもに処方されるのは、下表のような薬です。
長期的に飲み続ける薬もありますので、必ず医師の指示どおりに服用し、
くれぐれも自己判断でやめることのないようにしてください。
また薬が効かなくなった場合には、早急に医師に相談してください。

狭心症の薬物治療
発作を抑える薬
即効性の硝酸薬(ニトログリセリン)発作が起こったらすぐに使う
舌下錠やスプレー薬がある
発作を予防する薬
持続性の硝酸薬血管を広げて心臓の負担を軽減する
カルシウム拮抗薬血圧を下げる
安静時狭心症の場合に、とくに強い効果がある
β遮断薬血圧を下げる効果がある
労作時狭心症の人に使われる
血栓ができるのを防ぐ薬
抗血小板薬血液を固まりにくくする

一方、冠動脈がかなり狭くなっているケースや、薬で発作を抑えるのが困難になった場合には、
カテーテル治療やバイパス手術など、他の治療法を行なう必要があります。
カテーテルとは、検査の項目でもふれましたが、直径2mmほどの細く軟らかい管です。
それを脚のつけ根などの動脈から心臓の冠動脈まで通し、狭窄した部分を広げるのがカテーテル治療です。
なかでも広く行なわれているのは、
ステントという金属の網を先端のバルーン(風船)にかぶせ、
それを支えにして冠動脈を広げるという、ステント療法です。
また、カテーテルが通らない細い血管や、何か所にもわたって狭窄している場合には、バイパス手術が効果的です。
冠動脈の狭窄部付近に、自分の体内の血管を使ってバイパス(迂回路)を作り、心筋への血流を回復させる治療法です。

自分で心臓を守る 狭心症の改善と予防

では、狭心症を予防したり、さらに心筋梗塞に進行させないようにするには、どうしたらよいのでしょうか。
それはズバリ、狭心症の背景にある動脈硬化を予防・改善することです。
動脈硬化を促進する危険因子には、 高血圧、糖尿病、脂質異常症(=生活習慣病)
メタボリックシンドローム(内臓脂肪型肥満に高血圧、糖尿病、脂質異常症が2つ以上重なる病態)
喫煙、ストレス、運動不足、加齢
などがあります。 これらを1つでも減らせるように、まず自分の生活習慣を見直し、改善していくことこそが重要なのです。
とくに注意が必要なのは
メタボリックシンドロームで、狭心症や心筋梗塞の発症率が、急激に高まることがわかっています。
具体的な改善ポイントを下表に示しましたが、
これらは狭心症のみならず、さまざまな生活習慣病の予防、改善にもつながります。
ぜひ、積極的に取り組むようにしてください。
もちろん、狭心症の発作を起こして治療を続けている場合にも、生活改善は不可欠になります。
さらには、定期的に健診を受けて、
ふだんから心臓の状態を知っておくことも、早期発見・早期治療のためには大切なことです。
男性は45歳、女性は55歳を過ぎると、虚血性心疾患の危険性が高まるといわれています。
また、家族のなかに発症した人がいる場合にも警戒が必要ですから、
これらに該当する方は、少なくとも年に1回は、健診を受けるようにしましょう。

心臓を守るための生活改善