伊豆に暮らす

伊豆に暮らす 〜健康暮らし応援隊〜絆

身体に潜む、身近な病気 帯状疱疹

「名前は聞いたことがあるけどよく知らない」という病気の1つではないでしょうか?
「ごくまれにしかかからない」や「一度かかると何年も治らない」といった、
誤った解釈がされていることもよく見受けられます。
帯状疱疹は、実はとても身近な病気だということを、ここで知っておきましょう。

水ぼうそうの経験は? ほとんどの人がリスクをもっている

脊髄から伸びる知覚神経 多くの子どもがかかる病気の1つに、水ぼうそうがあります。
水ぼうそうは、ウイルス感染によって、
発熱したり皮膚に水疱(水ぶくれ)が現われる病気です。 この、水ぼうそうを起こすウイルスは、
水ぼうそうが治るといなくなるわけではなく、
身体の中の神経節に身を潜めているだけです。
普段は免疫力によって封じこめられ、
悪さをしないで大人しくしています。
ところが、何年、何十年と経ってからも、
何らかの病気をしたり、疲れやストレスなどによって
身体の免疫力が低下すると、このウイルスは再び活性化します。
増殖したウイルスは、
神経節から知覚神経に沿って皮膚に到達し、
発疹、水疱をつくります。 これが、帯状疱疹です。
つまり、帯状疱疹の原因は、
水ぼうそうのウイルス(水痘・帯状疱疹ウイルス)であり、
水ぼうそうにかかったことがある人は、誰でも発症する可能性をもっているというわけです。
とくに発症しやすい年代は、50〜70歳代の高齢者でしたが、最近は20〜30歳代の若い年代にも多くみられます。
幅広い世代で、日本では6〜7人に1人はかかるといわれるほど、帯状疱疹は身近な病気なのです。

皮膚症状だけではない 痛みは神経が傷つけられるため

帯状疱疹ができやすい場所 同じウイルスのしわざでも、
帯状疱疹の症状は、水ぼうそうとは少し違います。
帯状疱疹は、ウイルスがすでに神経節に潜伏しているので、
活動・増殖すると、まず神経やその周りの細胞に炎症を起こします。
神経が傷つけられるため強い痛みが起こり、
ウイルスが増殖するにしたがって炎症が広がります。
ウイルスは、知覚神経に沿って移動するため、
痛みもそれに伴った部位に現われます。
そして、痛みの現われた部分の皮膚には、発疹や水疱が生じるのです。
知覚神経は、脳から脊髄を通っており、
ここを中心に身体の左右にいくつも枝分かれし、身体の前面(おなか側)へ伸びています。
ウイルスが増殖した神経が、左右どちらに伸びているかによって、
身体の片側に、おび(帯)状に炎症が広がっていくのが、帯状疱疹の特徴です。
症状は、痛みから始まります。
発症する部位は、顔から脚まで全身に可能性がありますが、左右どちらか片方だけに起こります。
薬を使った治療をしない場合、
このように、皮膚症状が現われてから長くても約3週間ほどで、かさぶたが取れます。
ただし重症の場合は、痛みが強いだけでなく、症状が長引いたり、潰瘍が深くなって痕が残ることがあります。
そして、帯状疱疹は、皮膚症状が治ったあとに後遺症が残ることがあります。
実はこれが、この病気の怖いところなのです。

後遺症を残さないために 気づいたらすぐ受診

帯状疱疹は、神経がウイルスに傷つけられる病気ということは述べました。
この損傷の程度が大きい場合、皮膚症状が治ったあとも痛みが消えないことがあります。
これを帯状疱疹後神経痛といいます。 また痛みに限らず、発症した部位によっては、神経の損傷によってさまざまな後遺症が見られます。
顔は、帯状疱疹が発症しやすい部位ですが、この場合の後遺症で、顔面神経まひが起こることがあります。
また耳の近くの場合は、難聴やめまい、目の上の場合には角膜炎、結膜炎もあります。
腹部から下半身の部位では、内臓の機能に障害がでることがあります。
このような後遺症は、帯状疱疹が発症したらすぐに受診し、早期に治療を始めれば、起こる可能性が低くなります。
治療は、抗ウイルス薬を始め、消炎鎮痛剤、皮膚炎症の悪化を防ぐ外用薬などで行ないます。
抗ウイルス薬は、指示された期間を必ず守らなければいけません。
もし副作用が現われたら、自己判断で中止せずに、すぐに医師に伝えましょう。
また、多くの患者さんが、水疱がでてから皮膚科を受診しますが、
水疱が広がってしまった時は、ウイルスの増殖がピークになっています。
治療は、皮膚に発疹が現われてから3日(72時間)以内に開始することが望まれます。
できればさらに早く、
身体の片側だけ痛みがある・日に日に痛みが増す・痛みが3、4日続いている
という状態の時に、受診することが理想的です。
痛みが強い場合は、ペインクリニックなどで行なう神経ブロックなどの治療法もあります。
後遺症にかかわらず、痛みに対しては積極的に抑えることが必要ですから、がまんせずに医師に相談してください。

痛みが残ってしまったら 帯状疱疹後神経痛の対処

帯状疱疹を発症すると、その後に悩まされる後遺症で最も多いのが、帯状疱疹後神経痛です。
一般的に、帯状疱疹が発症してから3か月経っても痛みが続いていたら、帯状疱疹後神経痛といえます。
痛み方や度合いは個人差が大きいのですが、長期間続く痛みで、つらく不安な毎日を過ごすケースもあります。 このような帯状疱疹後神経痛に悩まされないためには、
とにかく発症時から、痛みをがまんしないで抑えることが大切です。
痛みが残ってしまった場合にも、いろいろな治療法があります。
鎮痛剤の内服、痛みを伝える神経に局所麻酔薬を注射する神経ブロック、
患部にレーザーを照射するレーザー療法、軟膏を塗布する方法などさまざまです。
しかし、帯状疱疹後神経痛に対しては、必ず治るという決まった治療法はありません。
同じ方法でも、患者さんによって効果がでるケース、でないケースがありますから、
自分に合った方法を見つけ、あきらめずに続ける根気も必要です。
痛みには波があり、時間がかかる場合もありますが、少しずつ快方に向かっていきます。
日常生活でも、痛みを緩和する方法があるので、これらを心がけることも重要です。

痛みを緩和する方法

患部が冷えると、痛みが強くなる傾向があります。
冷風が当たらないようにしたり、痛む時は患部を温めるなど、寒さ対策の工夫を。 また、入浴は効果的です。
身体を温めることは痛みの軽減になります。
入浴を制限されていなければ、温泉巡りもお勧めです。
身体を休めることも、治療のうえで重要です。
睡眠は充分にとって、疲れをためないようにしてください。
患部は刺激に過敏になっているので、
サラシなどを巻いて衣類との摩擦を防ぐとよいでしょう。
しかし最も大切なことは、好きなことに熱中することです。
痛むからと1人で閉じこもっていると、かえって痛みにとらわれてしまいます。
何かに気をとられている時は、痛みを忘れていることが多いので、
積極的に外出するなど、活動的に過ごしてください。

免疫力が予防のカギ 帯状疱疹の予防

帯状疱疹は、免疫力が低下した時に発症します。
疲れやストレスがたまっている時、慢性の病気にかかった時は、リスクが高いといえます。
水ぼうそうを経験している人は、
あまり疲れをためないことと、生活習慣病のような慢性疾患の予防に努めましょう。
また、バランスよく栄養を摂ることも重要です。 帯状疱疹は、一度発症すると通常は再発しませんが、免疫力が落ちるとまれに再発することもあります。
予防法として、水ぼうそうの予防ワクチンを接種する方法もあります。
費用は自己負担となりますが、高齢や病気がちなど、リスクの高い方にはお勧めします。
予防接種は、発症を100%防ぐことはできませんが、発症しても重症にならず、神経痛の発症率も低くなります。