伊豆に暮らす

伊豆に暮らす 〜健康暮らし応援隊〜絆

首の痛みは、なぜ起こる

首が痛む、こる、回しづらいといった不調は、日本人の約70%が、一生に1度は経験するといわれています。
首には常に大きな負担がかかりやすく、人間の宿命病ともいえるものです。
ただしこのなかには、首の病気によって痛みが起こっている場合もありますので、
早めに診断を受け、適切に対処することが重要です。

私たちの首はこんな構造をしています

頚椎の構造 まずは右図で、首の構造を見てみましょう。
身体を支えている背骨(脊柱)は、
椎骨という骨が縦に積み重なった構造をしており、
このうち
上から7番目までの椎骨を、首の骨=頚椎と呼びます。 1つ1つの椎骨の間には、椎間板といわれる軟骨がはさまっていて、
首の動きをしなやかにしたり、衝撃を和らげる
クッションの働きをしています。
また頚椎は、中枢神経の束である脊髄を、
保護する役目も担っています。
頚椎を含めた脊柱の中央には、
脊柱管というトンネル状の空間があり、
その中を脊髄が通っています。
つまり、骨で周囲をガードしているというわけです。
その脊髄からは神経が枝分かれしており、
椎骨のすき間から出て、首、肩、腕へと伸びていきます。
この枝分かれした神経の根元部分を、神経根と呼びます。
もともと頚椎は、
首にかかる負担を減らすために、のど側へ軽くカーブしています。
しかしながら、4〜6sもある頭を支えているうえ、
首を大きく動かすことも多いため、常に酷使され、
痛みがでやすい部位だといえるのです。
首の痛みの多くは、筋肉の緊張や疲労が原因で起こりますが、
なかには頚椎の病気で首の神経(脊髄や神経根)が圧迫され、
それが原因で痛みが起こることがあります。
この場合は、放置するとさらに症状が進み、生活に支障をきたすケースもありますので、充分な注意が必要です。

頚椎のこんな病気が首の痛みを起こします

年齢とともに身体の器官は老化していきますが、首の骨や周辺組織も、例外ではありません。
加齢に伴って、クッションとなっている椎間板に変性が起こったり、頚椎自体が変形することで、
そばを通る神経が圧迫されると、慢性的な首の痛みを起こすようになります。
このような仕組みで発症する代表的な疾患が、頚椎椎間板ヘルニアと頚椎症です。

頚椎椎間板ヘルニア

頚椎椎間板ヘルニア 椎間板の中心には、
髄核とよばれる軟らかいゼリー状の組織があり、
その外側を線維輪というやや硬い組織が取り囲んでいます。
加齢などによって椎間板の弾力性が低下すると、
骨にかかる衝撃をうまく吸収できず、
椎間板がつぶれたり、線維輪に亀裂が入ったりします。
すると、内部の髄核が外へ飛び出してしまい、
それが神経を圧迫することで、強い首の痛みが起こるのです。
これが頚椎椎間板ヘルニアです。
老化の他に、首への強い衝撃も原因となるため、
30〜60歳代と、幅広い年齢層でみられます。

頚椎症

頚椎症 老化した椎間板は、次第に硬く薄くなるため、
椎骨同士の間隔が狭くなって、
首に力がかかった時に、互いにぶつかり合うようになります。
その結果、椎骨の形が変わったり、
また骨を安定させようとして、
縁の部分にとげのようなもの(骨棘)ができてきます。
こうした骨の変形によって神経が圧迫されるのが、頚椎症です。
早い人では40歳くらいで症状が現われますが、
通常は50〜60歳以降に患者さんが多くなります。

これらの病気の特徴は、首の痛みに加えて、さまざまな症状を伴う点にあります。
脊髄や枝分かれした神経は、身体各部に伸び、その器官の働きをつかさどっています。
そのため神経が障害を受けると、その神経が支配している部分にまで影響が及び、
首以外に、手や脚、排泄機能などにも、多様な症状が現われてくるのです。
その症状は、圧迫されているのが神経根か脊髄かによって、次のような違いがみられます。

神経根症状

※多くの場合、左右どちらか一方に起こる。

脊髄症状

一般にこれらの症状は、首の痛みが現われた後、神経への圧迫が強まるにつれて起こってきます。
ですから、首の痛みを感じたら、早めに整形外科を受診し、病気によるものかどうかの診断を受けることが大切です。
そして早期に治療を開始し、重症化させないようにしましょう。
病医院では、まず保存療法を基本として、次のような治療が行なわれます。

薬物療法

痛みを鎮める非ステロイド系消炎鎮痛薬、筋肉の緊張を和らげる筋弛緩薬、
神経の回復を促すビタミン剤などを用いる。

装具療法

コルセットのような役目をする頚椎カラーを装着し、首を固定して安静を保つ。

理学療法

専用の機器で首を引っぱる牽引療法と、
ホットパックや超音波を患部に当てて温める温熱療法などがある。

神経ブロック

局所麻酔薬を患部に注射して、一時的に痛みを緩和する。
他の方法では痛みが改善しない場合に、行なわれることがある。

多くの場合、これらの保存療法で症状は治まりますが、
効果がみられなかったり、首以外にも強い症状が現われている時には、手術療法を検討する必要もでてきます。

日常生活のこんな工夫で首の痛みを予防しましょう

とはいえ、このように病気が関係しているケースは全体の10%程度で、
首の痛みのほとんどは、筋肉の疲労やこりから起こっています。
その最大の原因は、首に負担のかかる姿勢を長時間続けていることです。
そうすると筋肉の血行が悪くなり、乳酸などの疲労物質が蓄積して、痛みを引き起こす結果になるのです。 例えば、あなたはパソコンを操作している時に、
画面に顔を近づけ、猫背になって、首を後ろに反らせていませんか?
これは頚椎の自然なカーブが崩れた状態で、首に無理を強いる姿勢です。
最近は、このようなケースで首の痛みを訴える人が、たいへん増えています。
パソコンで作業をする時は、背筋を伸ばし、軽くあごをひくという姿勢を心がけると、首への負担が軽減されます。
この姿勢は、テレビを観ている時や車を運転する時など、日常的に意識するとよいでしょう。
また、時どき首を動かして、筋肉の血行を良くすることも大切です。
仕事の合い間や1日の終わりに、首の疲れを癒しましょう。
動作はゆっくりと行ない、決して無理をせず、できる範囲で継続することが第一です。
ただし、病医院で治療を受けている場合には、必ず医師の指示に従って行なってください。
その他、首や肩を冷やさないよう服装に注意したり、
入浴の際は湯船に浸かって温めるなど、保温を心がけるのも効果的です。

リラックス運動

リラックス運動 前後各10回×左右各3回 頭を左に傾け、左肩を上げる
その状態で、左肩を前へ10回まわし、次に後ろへも10回まわす
続いて右側も行なう

ストレッチ運動

ストレッチ運動 5〜10秒静止×左右各3回 頭を左に倒し、5〜10秒静止して、元の状態に戻す
右側も同様に行なう
顔を左側に向け、5〜10秒静止して、元に戻す
右側も同様に行なう

筋力強化運動

筋力強化運動 5〜10秒静止×前後、左右各3回 手を組んで額に当て、手と頭で押し合うように軽く力を入れる
5〜10秒静止
組んだ手を後頭部に当て、後ろ側でも行なう
左手を頭の左側に当てる
手と頭で押し合うように軽く力を入れる
5〜10秒静止
右側も同様に行なう