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関節リウマチ の真実

関節リウマチと聞くと、
「お年寄りの病気」「一生痛みとつき合う病気」というイメージが強いのではないでしょうか?
しかし実際には、30〜50歳代に多く発症し、
また現在では、治療法が急速に進歩して、症状を抑えることも可能になっています。
リウマチ月間の今月は、関節リウマチについて詳しくみていきましょう。

自分の身体が自分を攻撃して起こる関節リウマチ

私たちの身体には、外部から侵入したウイルスや細菌などの異物を排除するために、
“免疫”という仕組みが備わっています。
ところが、何らかの原因でこのシステムに異常が発生すると、
異物がないのにもかかわらず、誤って自分の身体を敵とみなして攻撃をしかけ、
いろいろな症状を引き起こすことがあります。
こうした免疫の異常によって発症する病気を自己免疫疾患といい、関節リウマチもその1つです。 骨と骨のつなぎ目である関節は、関節包に包まれており、
骨同士の間には軟骨があって、クッションの働きをしています。
また関節包の内側には、非常に薄い滑膜があり、潤滑油の役目をする関節液を分泌しています。
関節リウマチは、この滑膜を免疫細胞が攻撃してしまい、炎症が起こることで発症します。
炎症が続くと、滑膜はどんどん増殖し、やがて軟骨や骨に入りこんで、徐々に関節を破壊していくのです。
やがて軟骨が完全になくなると、骨と骨が直接ぶつかるようになるため、
関節を曲げるのが困難となって、関節自体の変形も起こります。
また進行するにつれて、関節の腫れや痛みは、激しさを増していきます。

関節リウマチの進行

一般に、関節リウマチの経過は、
よくなったり悪くなったりを繰り返しながら、進行していくといわれています。
ただしなかには、急激に症状が起こって急速に悪化する場合や、
あまり進行しないケースもあり、個人差が大きい病気だといえるでしょう。
また、なぜこのような免疫異常が起こるのか、その原因は、まだはっきりとわかっていません。 ただし、自己免疫疾患を起こしやすい体質が深く関与しているといわれ、
そこにいくつかの環境的な誘因が重なることで、発症することが多いようです。
具体的には、ウイルスや細菌への感染、けが、過労やストレス、
また喫煙などが、発症の危険性を高める要因だと考えられています。

初期のこんな症状を見逃さないことが大切

関節リウマチは、かつてはゆるやかに進行すると考えられていましたが、
実は発症してから2年間が、最も軟骨や骨の破壊が進む時期だということがわかりました。
ところが、これら初期の段階では、関節の腫れはあっても、明らかな変形は見られず、
放置されてしまうケースが多いのです。 外見上の変形が現われるのは、病気がかなり進行してからで、
この段階になると、関節の破壊は大きく進んでおり、元の状態に戻すことはできません。
そこで、関節の破壊が起こる前の早期に関節リウマチを発見し、
治療を始めることが重要になってくるのです。
関節リウマチの初期には、おもに次の3つのような症状が現われやすいので、見逃さないようにしてください。

朝起きた時に関節がこわばる

「手が開きにくい、身体を動かしにくい」などの症状が、15分から1時間以上続きます。
天気が悪い日にひどくなるケースもあります。

微熱やだるさが続く

ほかにかぜの症状(のどの痛み、せきなど)がみられないのに、
37度くらいの微熱が続き、だるさを伴います。

関節に腫れや痛みがある

腫れや痛みが起こりやすい関節 右図のように、全身のさまざまな関節に、
腫れや痛みが起こります。
なかでも、手足の指や手首、足首など、
小さな関節から始まることが多くなっています。 これらは、右半身の関節に症状がでると、
左半身の同じ箇所の関節にも認められるという
特徴(左右対称性)をもっています。
関節の腫れは、熱っぽさを伴い、
触ると水枕のような軟らかい感触があります。

また進行するにつれて、貧血が起こる場合や、
動くと息切れがしたり、呼吸が苦しくなる間質性肺炎を合併することがあります。
そのほか、目や口の中が乾くシェーグレン症候群といった症状や、
後頭部・ひじ・ひざなどに、こぶのようなしこりができる、リウマトイド結節がみられる場合もあります。 いずれにしても、関節リウマチの初期症状ははっきりと認めにくいため、そのサインを見逃してしまいがちです。
早期発見・早期治療のためには、少しでも思いあたる症状があったら、
まずはかかりつけ医に相談することをお勧めします。
そのうえで必要があれば、リウマチ科など、専門医のいる医療機関を紹介してもらうとよいでしょう。

現在では早期の発見・治療で治せる病気に

ここ10年の間に、関節リウマチに関する研究が進み、検査法も治療法も大きく進歩しています。
早期に診断することが可能になり、かつては痛みを和らげるしかなかった治療法も、
今では“緩解(関節の痛みや腫れ、炎症がない状態)”を目指せるまでになりました。
その可能性を高めるためには、決して放置せず、初期段階で治療を始めることが重要なのです。

検査法

問診や診察によって、関節リウマチに特有の症状があるかを調べ、
さらに血液検査や画像検査を行なって診断します。
これまでの血液検査では、免疫の異常によって発生する、
リウマトイド因子という物質を中心に調べていましたが、
「早期に検出されるケースが約50%と低い」という問題点がありました。 そこで併用されるようになったのが、抗CCP抗体を調べる新しい検査法です。
抗CCP抗体は、関節リウマチを発症する以前から検出でき、
発症が近づくほど数値が上がることがわかって、早期の診断に大いに役立っています。

治療法

関節リウマチの治療の基本は、薬物療法です。
ひと昔前までは、おもにステロイド薬や非ステロイド性消炎鎮痛薬が使われ、
関節の痛みや腫れを取り除くことを、治療の目的としていました。 しかしその後、根本の原因である免疫の異常を抑えたり、
関節の破壊を遅らせる薬が登場して、薬物療法は飛躍的に進歩したのです。
それが抗リウマチ薬で、初期の段階から服用を始めれば、より効果が高まることもわかっています。
さらに近年では、新しいタイプのサイトカイン阻害薬が認可され、
他の抗リウマチ薬と併用することで、緩解にまで回復する患者さんが増えているのです。
ただし、これらの抗リウマチ薬は、効果が高い反面、
副作用も起こりやすいため、医師の指示に従って服用し、定期的な検査をする必要があります。
そのほかに、関節の働きを維持するための運動療法(リハビリテーション)や、
関節の変形が進んだ場合の手術療法もあり、個人の症状に合わせて、適切な治療を受けることができます。
また関節リウマチは、日常の過ごし方によって悪化してしまうことがありますので、
下記のような点を心がけるようにしましょう。

安静にする時間をつくる

関節の炎症があると疲れやすく、無理をすると悪化につながる。
1日のなかで1時間程度、休息をとるようにする。

痛みがない時は適度な運動を

関節の固まりを防ぐために医師や理学療法士の指導を受けて、
無理のない範囲で身体を動かすようにする。

患部を冷やさないようにする

冷えは痛みの原因となる。
寒い時期はもちろん、冷房のききすぎからも、関節を守る工夫を。