伊豆に暮らす

伊豆に暮らす 〜健康暮らし応援隊〜絆

肺がん を見逃さない

肺がんは現在、日本で最も死亡者数の多いがんで、その数は年間6万人以上にものぼります。
それは、早期には症状がほとんどなく、
また進行が早いという特徴によって、「治療しにくいがん」となっているからです。
では、このような肺がんから命を守るためには、何が必要なのでしょうか?

さまざまなタイプがある肺がん その特徽とは?

内臓や細胞などでエネルギーを燃焼させるために空気中の酸素を取り入れ、
また燃焼時に発生した二酸化酸素を排出する働きをしているのが、肺です。
その肺にできるがんは、組織や性質の違いから、4種類に分類されています。

腺がん

肺がん全体の約60%を占め、日本人に最も多いタイプ。
女性や、喫煙をしない人にできる肺がんの多くは、この腺がんです。
進行、転移の速さは中等度といわれています。

扁平上皮がん

喫煙と関連の深いタイプで、圧倒的に男性の患者さんが多くなっています。
症状がでやすく、比較的転移が遅いため、治療できる可能性が高いがんだといえます。

小細胞がん

これも喫煙との関係が大きく、進行、転移がたいへん速いのが特徴です。
発見された時は、すでに進行がんになっていることが多く、最も危険度の高いタイプです。

大細胞がん

ほかの3つのタイプの特徴を少しずつ併せもっています。
進行、転移は速いものの、肺がん全体の約5%と少数です。

また、別の分類として、がんのできた部位によって、次の2つに分けることもあります。

中心型肺がん

肺の入り口、気管から枝分かれした太い気管支の周辺(肺門という)にできるがんを指します。
この部位のがんは、喫煙の影響がとくに大きいとされ、扁平上皮がんや小細胞がんが多くみられます。

末梢型肺がん

肺の奥の細い気管支や、酸素と二酸化酸素のガス交換を行なう肺胞など、
肺の末端部分(肺野という)に発生するがんです。
腺がん、大細胞がんは、この部位にできやすいタイプのがんです。

一般に肺がんの初期には、はっきりとした自覚症状がありません。
ただ中心型肺がんでは、早くからしつこいせきやたん、
血たんなどの症状が現われることがあり、それが発見のきっかけになることもあります。 一方、末梢型肺がんは、ある程度進行するまで症状が現われにくく、
逆に症状を自覚した時点では、がんがかなり大きくなっているケースが少なくありません。
近年は、検査の技術も進歩し、ごく小さながんでも発見できるようになってきました。
症状だけでは気づきにくい肺がんだけに、
定期的な検診によって早期発見に努めることが、肺がん対策の決め手だといえるのです。

こんな人は要注意 定期的に検診を受けよう

肺がんをまねく誘因としては、
加齢、大気汚染、アスベスト(石綿)なども挙げられますが、
最大の原因は、何といっても喫煙です。
タバコを吸う人は、吸わない人に比べて、
男性で4〜5倍、女性では2〜3倍、肺がんのリスクが高まるといわれています。
また、肺がんで死亡した人のうち、
喫煙が原因と考えられる人の割合は、男性が約70%、女性は約20%も占めているのです。
さらには、ほかの人が吸っているタバコの煙を吸わされる受動喫煙では、
肺がんのリスクが約2倍になるというデータもあります。
この喫煙の危険性を知る目安となるのが、喫煙指数(ブリンクマン・インデックス)です。
これは「一日の喫煙本数×喫煙年数」という計算で求められる数値で、
指数が600以上に達すると、肺がん発生の危険率が高いハイリスクグループとなります。
1日に吸うタバコの本数が増えれば増えるほど、
また長い期間吸えば吸うほど、肺がんのリスクが増していくというわけです。
これらハイリスクグループの人はもちろんですが、
それ以外にも下記の項目に該当する方は、
早期発見のために、少なくとも1年に1度は、肺がん検診を受けるようにしてください。

肺がんの検診は、胸部エックス線検査と喀痰細胞診の2つをセットにして行なうのが一般的です。
これは、中心型肺がんと末梢型肺がんとでは発生する場所が異なるため、
それぞれに合わせて検査をする必要があるからです。

胸部エックス線検査

末梢型肺がんの基本的な検査で、特定健診などでも実施されています。
がんがあると、その部分が白っぽく写しだされ、2cm以上の大きさのものを見つけることが可能です。
ただし、骨や太い血管、心臓と重なっている場所に発生したがんは、発見することが困難です。
そういった場合に有効なのが、胸部CT(コンピュータ断層撮影)検査です。
エックス線を照射する装置が身体の周りを回転し、肺を輪切り状に撮影します。
見つけにくい部分にある肺がんや、1cm程度の小さながんも発見することができ、
最近ではエックス線検査の代わりに、胸部CT検査が行なわれる場合もあります。

喀痰細胞診

中心型肺がんを発見するためには、喀痰細胞診が最も重要になります。
このタイプの肺がんは、気管や太い気管支にできるため、
多くの場合、たんの中にがん細胞が混じります。
そこで、たんを採取し、その中にがん細胞が混じっていないかどうかを顕微鏡で調べて、
がんの発見に結びつけるのが、この検査です。
朝起きた直後にうがいをし、口の中をきれいにしたあとで大きくせきばらいをして、
専用の容器にたんを吐きます。
これを3日間続けるだけですので、方法も簡単で、身体に負担がかかることもありません。
中心型肺がんであれば、約80%の確率で、たんの中にがん細胞が見つかるといわれています。

これら2つの検査で肺がんが疑われた場合には、
その部分の組織を採ってさらに詳しく調べ、がんかどうかを確定するとともに、
4種類のうちのどのタイプかも診断します。

肺がん予防の大前提は、一も二もなく禁煙すること

他のがんと同様に、肺がんにも確実な予防法というのはありません。
ですが、その危険性を大幅に減らすことは可能です。
その手立てとは、ズバリ禁煙です。
タバコの煙には30〜40種もの発がん物質が含まれており、
その煙を吸いこむ肺にどれほどの悪影響を及ぼしているかは、もう皆さんご存じでしょう。
また、受動喫煙によって周囲の人に健康被害を及ぼす点も、すでに大きな社会問題となっています。 どんなに長い間吸っていても、また何歳から始めても、禁煙に遅すぎるということはありません。
肺がんのリスクは、禁煙後10〜15年で半分程度に減り、
20年以上でタバコを吸わない人と同じレベルに近づくといわれています。
喫煙者にとって最も重要な肺がん対策は、今すぐタバコをやめることなのです。
最近は、禁煙外来での治療が健康保険の適用となり、医師のサポートのもとで、
禁煙補助薬の処方や、専門的な治療・指導を受けることもできるようになっています。
まず禁煙をして一次予防に努め、二次予防として早期の発見・治療のために定期的に検診を受ける。
こうした心がけが、肺がん対策の大原則だということを、覚えておきましょう。