伊豆に暮らす

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気づかぬうちに蝕んでいく 肝炎

肝臓は沈黙の臓器といわれ、自分では異常に気づきにくい臓器です。
なぜなら肝臓には痛みを感じる神経がないためです。
また臓器自体の余力が大きいため、約8割の細胞が破壊されても、
機能自体に影響が出にくいという特徴があります。
そのため、異変に気づいたときには肝臓の病気の進行がかなり進んでいることがあります。
したがって、早期に異常を発見するには、定期的に肝臓の検査を受けることが大切です。

肝臓は上腹部の胃の近くにあり、成人で重さ1キロ以上にもなる、人間の体内で最も大きな臓器で、
下記のような人間が生きていくために欠かせない様々な役割を担っています。
下図にあるように、肝臓は非常に重要な役割を果たしています。
そのため肝臓が十分に機能しなくなると、体にさまざまな影響が現れます。

肝臓病の原因

肝臓病の原因は主に3つあります。

ウイルス

日本で最も多いのが、ウイルス感染による肝臓病です。
肝炎を起こすウイルスには、A型、B型、C型などがあり、
日本のウイルス性肝炎の約70%はC型肝炎です。
B型とC型のウイルスに感染すると、
肝炎が慢性化して、肝硬変や肝臓がんに進むことがあります。

アルコール

実はアルコールが原因の肝臓病は日本ではあまり多くありません。
しかし、一般的に日本酒に換算して
毎日5合以上を10年以上飲み続けた場合、肝硬変に進む場合があります。

体質に合わない薬

薬は肝臓で分解されるため、
体質に合わない薬をのみ続けると、肝臓を害することがあります。

今回はウイルス感染による肝炎をみていきます。
肝炎とは、肝臓が炎症を起こしている状態です。
ウイルスが原因で起こるウイルス肝炎がほとんどで、
A型からE型までのタイプがあることが分かっています。 日本人に多く見られ、肝臓の炎症が6ケ月以上続く、
慢性肝炎となるタイプは、B型とC型のウイルスによるものです。
海外旅行先でA型やE型ウイルスに経口感染する場合もありますが、
通常は1〜2ケ月で完治する急性肝炎です。
D型に感染するケースは、日本ではほとんど見られません。
なおA型、B型はワクチンがあります。

肝臓の3つの働き

肝臓の3つの働き 肝臓は人体の化学工場と呼ばれ、主に次のような3つの働きがああります。
代謝
私たちが食事でとった、糖質やたんぱく質などの栄養素は、
血液によって肝臓に運ばれます。
代謝とは、この栄養素を体で使える形に変えることです。
肝臓は酵素を使って、栄養素をさまざまな物質につくり変えます。
解毒
アルコールやアンモニアなど、体にとって有害な物質を無毒化します。
胆汁の分泌
胆汁は、脂肪の分解を助けるものです。
肝臓はこの胆汁を分泌しています。

B型肝炎

B型肝炎を引き起こすB型肝炎ウイルスは、血液や体液を介して感染します。
今、治療を受けている方のほとんどは母子感染ですが、
現在では予防策がとられているため、1985年以降に生まれた子どもへの感染はほぼありません。
キャリア(ウイルスに感染している人)は全国に150万人ほどいるといわれていますが、
感染していても肝機能検査の値が正常範囲である人も多く、
治療を受けている人は約1割だと考えられています。 感染ルートは母子感染の他、輸血、性行為などがあげられます。
成人の場合、ウイルスに感染すると、まず急性肝炎が起こり、
外敵を排除しようとする免疫の働きによって、ほとんどの場合、ウイルスは排除されてしまいます。
したがって、成人がB型肝炎ウイルスに感染しても母子感染の場合以外はほとんど慢性化しないといわれてきました。
しかし最近では慢性化するケースが増えつつあるようです。
成人がB型肝炎ウイルスに感染すると、70〜80%は何の症状も出ずにウイルスがいなくなる不顕性感染ですみますが、
残りの20〜30%は急性肝炎を起こし、全身倦怠感、食欲不振、尿の色が濃くなるなどの症状が現れます。
まれに劇症肝炎を起こすこともあり、肝細胞が短期間で急激に壊され、命に関わることもあります。

C型肝炎

C型肝炎はB型肝炎に比べるとキャリアが多く、約100人に1〜2人が感染していると推定されています。
C型肝炎ウイルスは、主に血液を介して感染しますが、
多くはまだC型肝炎ウイルスが見つかっていなかった時代の、輸血や予防接種などの注射による感染です。
そのため、C型肝炎ウイルスの感染者は、特に55歳以上に多く見られます。 現在では予防策がとられているため、輸血や注射などの医療行為による感染はほとんどありませんが、
入れ墨や薬物の乱用、ピアスの穴開けなどに伴う針の使い回し、
医療機関での針刺し事故などから感染するケースが増えています。
C型肝炎ウイルスに感染すると、急性肝炎を起こします。
この時点でだるさや尿の色が濃くなるなどの症状が出る場合もありますが、多くの場合、症状は現れません。
しかし慢性化しやすく、ウイルスに感染して急性肝炎になった人のうち、
自然にウイルスが治ってしまうのは、3割程度に過ぎません。
あとの7割は自覚症状がないまま慢性肝炎へと移行していきます。
そして放置しておくと、その多くが肝硬変、肝がんへと進行していきます。
C型肝炎は放置しておくとこうした一定の経過をたどるのが特徴です。
C型肝炎は肝がんに進行しない限り、命に関わることはほとんどありません。
感染に早く気づき、適切な治療を受けることが何よりも大切です。

肝炎が進行する仕組み

肝炎ウイルスに感染すると、まず免疫反応として、肝細胞が急激に破壊される急性肝炎が起こります。
その際発熱や全身倦怠感、黄疸などの症状がありますが、すべての人に現れるとは限りません。
そして急性肝炎の際にウイルスを排除出来なかった場合、
慢性肝炎(肝機能の異常が6ヶ月以上続く状態)が起こり、
ウイルスは肝臓の細胞(肝細胞)のなかで増殖をはじめます。 すると、体内の免疫反応がウイルスを攻撃しますが、
その際、肝細胞自体も攻撃されるため、肝細胞が壊れてしまいます。
ただ、肝臓は再性能力が高く、破壊と再生はウイルスがなくなるまで
20年〜30年にわたって繰り返されることもあります。
しかしそのうちに、細胞の再生が間に合わなくなると、
肝細胞が繊維化して肝硬変となり、腹水、黄疸、食道静脈瘤、脳症などが現れてきます。
また肝硬変になると肝がんになるリスクが高くなり、一度がんになると、肝臓のいろいろな部分に多発します。

検診

自覚症状のほとんどない肝臓病を見つけるには定期的に検査を受けることが大切です。
厚生労働省では40歳から5歳ごとに行われている節目検診などで肝臓病の検査を定期的に受けることを勧めています。
検査は、保健所や市区町村などで、公費の補助のもとに行われています。
詳しくはお住まいの市区町村の窓口や保健所に確認してください。
また健康保険組合が実施している場合もあります。 医療機関でも検査が受けられ、肝炎の感染が疑われる場合には検査に健康保険が適用されます。
40歳以上でC型肝炎のウイルス検査を一度も受けたことがない人は、一度検査を受けることをお勧めします。