伊豆に暮らす

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膵臓がん とは

近年、膵臓の病気が増加傾向にあります。
その理由に膵臓が体の奥深くにあり
膵臓を標的とした画像検査をしなければ発見しにくいこと、特徴的な症状が少ないことがあります。
また、膵臓がんには、正常に染み込むように広がる性質があり、
正常な組織との境界線がはっきりしないため、がんが見つかったときにはすでに進行していることも多いのです。
しかし検査技術が格段に進歩し、早期発見、早期治療が可能になってきました。
少しでも症状を感じたら医療機関を受診して検査を受けるようにしましょう。

膵臓とは

膵臓の位置 胃の裏側にあり、
十二指腸につながっている消化に関わる臓器で、
たんぱく質や炭水化物などの
分解を助ける消化液である「膵液」の分泌、
エネルギー源である
血液中の糖の量を調節する「インスリン」という
ホルモンの分泌などの働きをもちます。

膵臓がんとは

膵臓がんは難治がんといわれ、膵臓がんは発見しづらく、
発見したときには進行していることの多いがんです。
最もがんができやすいのは、膵臓がつくる消化液の膵液が流れる膵管で、膵臓がん全体の7割を占めます。
また、その多くは十二指腸側の膵頭部に発生します。

症状

初期症状としては胃や腰、背中の重苦しさ、腹部の軽い鈍痛、体重減少、腹部膨満感、食欲不振などの症状が現れます。
がんが大きくなってくると膵液の通り道である膵管が圧迫され、
膵液の流れが滞り、その部分に炎症が起きるので腰や背中が痛みます。
しかしこれらは他の原因でも起こる一般的な症状で、こうした症状だけで膵臓がんかを見極めるのは困難です。 この膵炎によって起こる痛みは、炎症が治まれば消えます。
重く鈍い痛みが続くのが特徴で、期間は1〜2週間程度です。
さらにがんが大きくなると、がんが周囲の神経を圧迫して、慢性的な腰痛などが起きるようになります。
これはがん自体からくる痛みです。
こうした症状が続いたら、まず整形外科などを受診し、
それでも原因が分からない場合は念のため消化器科などで画像診断を受けておきましょう。
膵頭部にがんが発生した場合には、皮膚や白目の部分が黄色くなる「黄疸」が起きます。
それは胆汁の通り道である総胆管が圧迫されて胆汁の流れが妨げられ、
胆汁に含まれる黄色い色素が体内に出るためです。
またがんによって膵臓の機能が低下し、糖尿病の急な発症や悪化などが起こることもあります。
これらは比較的わかりやすい症状なので、
黄疸に気づいたり、心当たりがないのに血糖値に異常があったら、膵臓に原因がないかも調べてもらいましょう。
また、膵臓に液体で満たされた袋状の病変(膵嚢胞)が生じ、これが画像検査で発見されることがあります。
多くは心配のいらないものですが、なかにはがんにつながるものがある可能性があります。
膵嚢胞が見つかった際は定期的に検査を受けましょう。

検査

膵臓がんは2cm以下で見つけることができれば、それより大きい場合に比べて、治療成績が向上します。
危険因子を複数持っていたり疑わしい症状があれば、できるだけ早く消化器科などで検査を受けることが大切です。

血液検査

「アミラーゼ」や「リパーゼ」といった膵液に含まれる消化酵素を調べます。
膵管の異常や膵炎があると、血液中の値が高くなります。
膵臓がんができると上昇する「CA19-9」「CEA」などの腫瘍マーカーや血糖値も測定します。

画像診断

腹部超音波検査で膵臓の形や膵管の太さなどをみます。
血液検査や腹部超音波検査で異常があった場合は腹部CT検査やMRI検査で腹部の断面を撮影して調べます。

CT(コンピュータ断層撮影)検査

診断に必要な画像検査で、がんの位置や広がりを把握します。

超音波内視鏡検査

先端に超音波装置を取り付けた内視鏡を
胃や十二指腸など膵臓の近くの臓器まで挿入し、超音波を発信します。
体外から超音波を発信するより、詳細な画像を得ることができます。
この検査と同時に内視鏡の先端から針を出し、組織を採取する「生検」を行う場合もあります。

内視鏡的逆行性膵管造影(ERP)検査

内視鏡の先端から出した造影用の細いチューブを直接
膵管(主膵管)に挿入して造影剤を注入し、エックス線撮影を行います。
チューブを使って膵液を採取したり、
ブラシとよばれる針金のような器具で病変部位をこすって、がん細胞の有無を調べる場合もあります。

治療

主に手術療法や薬物療法が挙げられます。
まず検討されるのが手術療法です。
根治を目指した治療法で、ほかの臓器への転移がなく、
膵臓周辺の大きな血管にがんが広がっていなければ手術可能です。
がんが膵臓のどこに生じたかによって切除する範囲が異なります。 膵頭部にがんが生じた場合には、膵頭部、十二指腸、胆管、胆嚢、胃の出口などを切除します。
以前は胃を2/3ほど切除する拡大手術が一般的でしたが、
激しい下痢や少ししか食べられなくなるなどの後遺症が問題になり、
最近はできるだけ胃を残す標準手術へと考え方が変わってきています。
両者の治療効果にあまり差がないことが分かってきたためです。
小さく切除するため、後遺症も少なく、入院期間も2〜3週間で済みます。
膵体部、膵尾部にがんが生じた場合には、膵体部、膵尾部、脾臓などを切除します。
膵臓の組織を切除するため、手術後は糖尿病が発症することもあります。
また、膵臓がんは再発しやすいため、手術後は再発防止のために抗がん剤による治療を行うことが多くなっています。
膵臓から離れた臓器に転移があったり、膵臓周辺の大きな血管にがんが広がっていて手術が難しい場合、
手術後の再発防止のために抗がん剤による化学療法が用いられます。
主に使われる抗がん剤のうち、第一選択は「塩酸ゲムシタビン」で、
従来の抗がん剤に比べて延命や症状の緩和に優れています。
がんを小さくして進行を抑えるという本来の作用に加え、
痛みを抑える作用があるため、QOL(生活の質)を改善する効果が期待できます。
2006年に膵臓がんに対して健康保険が適用された
「テガフール・ギメラシル・オテラシルカリウム」の効果も注目されており、
単独、または塩酸ゲムシタビンの効果が不十分なときに併用されることがあります。
抗がん剤の副作用として、
「白血球減少」「血小板減少」「食欲不振」「吐き気・嘔吐」「だるさ」などが比較的よく見られますが、
塩酸ゲムシタビンやテガフール・ギメラシル・オテラシルカリウムでは、
これらの副作用も改善され、外来で治療を受けることが可能になっています。
膵臓がんの化学療法は、できるだけ長く継続することが重要なため、
ひとりひとりの患者さんの状態に合った使い方を考慮しながら、治療を進めていくことになります。