伊豆に暮らす

伊豆に暮らす 〜健康暮らし応援隊〜絆

通風

「風が当たるだけで激痛が走る」といわれる痛風は、贅沢病とも呼ばれて、中高年に多い病気と思われていました。
しかし近年では20歳代から多くなり、30際代に発症のピークを迎えています。
また、以前は日本ではきわめて稀な病気でしたが、
食生活の欧米化やアルコール摂取量の増加などによって、急激に患者数が増加しています。
もしかするとあなたも、既に痛風予備軍かも知れません。
日ごろから生活習慣の改善にこころがけましょう。

通風とは

遺伝子を構成する成分のひとつにプリン体があります。
その約80%は肝臓で生成され、残りの20%は食物から摂取されて、
遺伝子の本体であるDNA(デオキシリボ核酸)やRNA(リボ核酸)の原料や、エネルギーを作り出すもととなり、
最終的に尿酸となってプールされ、一定量を越えると腎臓から尿の中に排泄されます。

膵臓の位置

そこで、生成される尿酸が多すぎたり、排泄される量が少なすぎたり、
あるいはその双方によって尿酸値の高い状態が続くと、
血液中に溶けきれなくなった尿酸が関節液の中で結晶化して組織に沈着します。
この結晶が何らかの原因で剥がれて関節液内に遊離すると、
それを白血球が異物とみなして攻撃するため、腫れや激痛を伴う炎症を起こします。
血液の中の尿酸値が高くなった状態が高尿酸血症で、それによって激しい痛みを伴う発作が起こるのが痛風です。 尿酸は、通常は一定の量が体内に溜められるように調節されています。
血清尿酸値(血液中の尿酸の濃度)が7.0mg/dlを超えると異常とされ、高尿酸血症と診断されます。
高尿酸血症は1960年代には成人男子の約5%でしたが、80〜90年代に約20%に増加、
現在では、いつ痛風発作を起こしてもおかしくない、いわゆる痛風予備軍の人は500万人にのぼると推定されています。
女性は一般に尿酸値が低く、痛風患者の95%以上は男性です。
これは男性ホルモンには尿酸値を上げる性質があり、
また女性ホルモンには尿酸の排泄を促す働きがあるから、といわれています。
そのため、女性でも閉経後は尿酸値が高くなるので通風を発症しやすくなります。

痛風発作

痛風の発作は夜中から明け方に起こることが多く、突然の激痛に襲われます。
特に暴飲暴食や激しい運動をしたあとは起こりやすく、
最初の発作のおよそ70%は足の親指のつけ根の関節に起こります。
しかし親指以外の足の指や甲、くるぶし、膝、手の指や甲、肘などに症状が現われることもあります。 発作が起こると関節が赤く腫れ上がり、熱を持って激しく痛みます。
しかし初めての発作は数日から2週間ほどで治り、何の症状も出ない間欠期に入ります。
発作の再発までに1年以上、ときには数年間も無症状が続くことがあります。
しかし高尿酸血症の治療をしなければ必ず発作は再発します。
2回目の発作は1回目に比べて痛む期間が長くなることが多く、2回、3回と繰り返すうちに
次第に次の発作までの間隔が短くなり、発作の持続日数も長くなってきます。
また、初めての発作はほとんどが一ヶ所だけの単関節炎だったものが、
発作を重ねるうちに痛む関節は一ヶ所だけに収まらなくなって、多発性関節炎となることがあります。
こうなってしまうと、いつもどこかが痛むようになります。
そして慢性期になると、尿酸の結品が軟骨や皮下組織、腱などに現われて痛風結節という瘤ができます。
この結節自体に痛みはありませんが、関節が変形したり骨が侵されて萎縮したりします。

恐ろしい合併症

高尿酸血症が長く続くと、結晶化した尿酸が腎臓の組織に沈着して腎臓障害が起こりやすくなります(痛風腎)
そして尿酸の結晶が固まった結石が腎臓にできることがあります。
それが尿管に移動して激しい痛みや血尿が出ることもあります(尿路結石) また、高尿酸血症には「食べ過ぎ」「飲み過ぎ」「運動不足」などの生活習慣が大きくかかわっていることから、
尿酸値が高い人ほどメタボリック症候群を伴うという報告もあります。
つまり高尿酸血症は、肥満、高血圧、高血糖、脂質異常などの生活習慣病を合併しやすく、
そうした生活習慣病の連鎖が痛風や高尿酸血症をさらに悪化させるだけでなく、
血管の状態を悪くさせて、動脈硬化、心筋梗塞、脳梗塞などのリスクを高めます。
高尿酸血症患者の約80%は、ほかの生活習慣病を合併しているため、
実際に心筋梗寒などの心臓病や脳卒中が、高尿酸血症患者の死亡原因の上位を占めています。

治療と予防

発作の前兆となる違和感が感じられたときには白血球の働きを抑えるコルヒチンが、
痛みのピークには非ステロイド系消炎鎮痛薬が処方されます。 発作が起こらないようにするためには、
尿酸の排泄を促進する薬と尿酸の生成を抑制する薬のどちらか、あるいはその双方が、症状によって用いられます。
ただし痛風発作が起きているときに尿酸降下薬を服用すると、
尿酸値が急に低下するためにさらに症状を悪化させてしまいます。
尿酸値を下げる薬物療法は、痛風発作が治まったあとに様子を見ながら
少量の薬から始める必要がありますので、薬の服用はくれぐれも医師の指示に従って下さい。
発作や合併症がなくても、尿酸値が7.0mg/dlを超えている場合には生活指導が必要となります。
高尿酸血症はほかのメタボリック症候群と同様、生活習慣を変えなければ薬物治療をしても効果があがりません。
肥満解消、食べ過ぎない、適度な有酸素運動(30分/週に3回以上)、ストレス解消といった
生活改善が必要となりますが、ほかにも痛風や高尿酸血症の改善・予防のために、
プリン体の摂取を控えるなど、毎日の食事内容にも注意が必要となります。
痛風発作を起こしたり痛風結節ができた場合にも、生活習慣の改善は有効です。
発作までに至らない高尿酸血症の場合には、
生活習慣を変えることで尿酸値を7.0mg/dl以下に下げることも可能なのです。
尿酸値の上がらない生活習慣をこころがけることで、痛風はもちろん、生活習慣病と無縁な生活を送ることができます。
痛風や高尿酸血症においても、生活習慣の改善こそが最も有効な予防であり治療といえます。
担当の医師とよく相談して自分に合った食事や運動などの計画を立て、生活習慣の改善を実践しましょう。

痛風発作の応急処置

・市販の痛み止めを飲む場合は、アスピリンなどのサリチル酸を含むものは避ける
 (尿酸値を変動させて、発作を悪化させる可能性がある)
・アルコールは飲まない。
 以上の応急処置を行なって、できるだけ早く医療機関を受診しましょう。

尿酸値を上げないためには
プリン体の摂取を控える

・尿酸の原料となるプリン体の摂取を1日400mg以内に抑える。
・プリン体は水に溶けやすいので、煮る、茫でるといった調理法が効果的
 (ただし鍋ものの野菜や雑炊にはプリン体が染み込んでいるので注意)

尿をアルカリ化する食品を摂取する

・尿酸は酸性に傾くと結晶化しやすくなるので、
 尿をアルカリ化する食品を積極的に摂取して、pH6.5前後に保つ。

充分な水分を摂取する

・尿酸をきちんと排泄するためにも、尿路結石を作らないためにも、充分な水分を摂取する。

アルコールの摂取を控える

・アルコールはプリン体の分解を促進して尿酸値を上げ、
 さらにアルコールの分解時に生成される乳酸が尿酸の排泄を妨げるため、摂取を控える。
・酒類は高カロリーなので肥満や糖尿病、高血圧などの原因にもなるので要注意。