伊豆に暮らす

伊豆に暮らす 〜健康暮らし応援隊〜絆

腰痛

腰痛は腰椎に負担がかかることで、その中を通る神経が障害されて起こりますが、
その原因を特定するのは難しいといわれています。
しかし、中にはがんや細菌感染によって引き起こされていることもあります。
生命にかかわる場合もありますので、早めに整形外科を受診して下さい。

腰痛の原因〜腰椎の障害

一言で「腰痛」といっても、さまざまな原因が考えられます。
検査を行なっても原因を特定しきれない場合が多いのも事実ですが、ここでは特定できる原因をみていきましょう。

A 椎骨・筋肉・椎間板などの障害

私たちの身体は腰に支えられています。
身体を動かせば必然的に腰に負担がかかり、
まして不自然な姿勢をとると大きな負担がかかって、腰椎が障害される場合があります。

背骨(脊柱)の構造 腰椎:
 脊椎の下部、腰にあたる部分の5つの椎骨。
椎間板:
 椎体と椎体の間にあってクッションの役目をする。
髄核:
 椎間板の中にある水分を多く含んだ組織。
馬尾:
 神経の束。椎骨の背中側に通っている。

(1)圧迫骨折

椎体に大きな圧力がかかることで
(あるいは骨粗鬆症や転移性骨腫瘍などで骨が弱くなっていると比較的弱い外力によっても)
椎骨が潰れ、強い痛みが起こります。

(2)腰椎椎間板ヘルニア

繰り返し大きな負担が腰にかかることで椎間板にひびが入り、
そこから髄核が飛び出すことなどで神経が圧迫されて、痛みが起こります。
腰痛に加えて、腰や脚(ときには、お尻から太腿やふくらはぎにかけても)の麻痺、
歩くと脚に痛み・痺れ・脱力感、爪先立ちや踵立ちが出来ない、尿が出にくく残尿感や尿失禁がある、
といった症状の1つでも当てはまるものがあれば、腰椎椎間板ヘルニアの可能性があります。

椎間板ヘルニア 【原因】
腰に大きな負担がかかることで椎間板にひびが入り、
中心部にある髄核が膨らんだり飛び出したりする。 【症状】
神経根や馬尾が障害されて痛みや痺れ、麻痺が起こる。

(3)脊柱管狭窄症

加齢に伴って脊柱が変化することなどで脊柱管が狭くなり、その中を通る神経が圧迫されて痛みが発生します。
70歳代では約12人に1人が脊柱管狭窄症であるという報告もあります。
歩き続けているとお尻や太腿・ふくらはぎが痺れて歩けなくなり、
しゃがんだり前かがみになったりして休むとまた歩けるようになる、
という特徴的な症状(間欠跛行)がみられます。
さらに悪化すると排尿障害が起こったり、じっとしていても脚が痺れたりします。

脊柱管狭窄症 【原因】
主に加齢によって椎骨が変形したり
黄色靭帯(背骨の後方で上下の椎骨をつなぐ靭帯)
が厚くなって、脊柱管が狭くなる。 【症状】
脊柱管の中を通る神経が圧迫されて、痛みや痺れが起こる。
特徴的な症状として間欠跛行がある。

B 腫瘍、感染症

以下の腰痛は、命にかかわる疾患のサインといえます。
安静にしているときにも痛む、日に日に痛みが強くなる、
発熱を伴うといった場合には、すぐに整形外科を受診して下さい。

(1)がん

肺がん、甲状腺がん、腎臓がん、大腸がん、前立腺がんなどが
腰椎に転移して、腰痛を引き起こすことがあります。

(2)細菌感染

黄色ブドウ球菌などの一般的な細菌の感染によるもの。
これらの細菌が骨に感染することは通常はありませんが、
高齢や糖尿病などで免疫力が低下していると、
血流に乗って細菌が骨の中に運ばれて感染してしまうことがあります。

腰痛の原因〜腰椎以外の場合

腰椎に原因がなくても、消化器系・泌尿器科系・婦人科系の病気で
臓器の周りの神経が刺激されて腰痛を引き起こす場合もあります。
また腰椎のそばを通る血管が障害されて、強い腰痛が起こることもあります。

C 臓器・血管の病気
(1)消化器系の病気

食事をすると腰痛が起こったり、痛みが強まったりするときには、
胃潰瘍、十二指腸潰瘍、胆石、膵炎、大腸がんなどが原因となっている場合もあります。

(2)泌尿器系の病気

排尿時に腰痛が起こります。血尿を伴う場合には、尿路結石や腎炎が原因の場合もあります。

(3)婦人科系の病気

月経時に腰痛が起きたり、痛みが強まったりします。
子宮筋腫、卵巣腫瘍、子宮内膜症などが考えられます。

(4)循環器科系の病気

血管の壁の一部が剥がれ、そこに血流が流入する解離性大動脈瘤によって強い痛みが起こり、
血圧が一気に下がったり意識を失うこともあります。
腰にいつもとは異なる強い痛みを感じた場合は、すぐに医療機関を受診して下さい。

D 精神的ストレス

ストレスが続くと神経が過敏になり、痛みを強く感じてしまうことがあります。
精神的ストレスで痛みを強く感じてしまい、
「また痛くなるのではないか?」という新たなストレスが生じて、
そのストレスのためさらに神経が過敏になって腰痛を強く感じてしまう、という悪循環を繰り返します。
また一度腰痛を経験すると「再発するのではないか?」という不安から体を動かさなくなり、
身体を動かさないことで腰の周辺の筋肉などが硬直して、
腰痛が再発したり強まりやすくなったりして、これも悪循環となります。

腰痛の治療は?

まず整形外科を受診しましょう。次のような検査が行なわれます。

【問診】
 いつから、どこが、どんなときに痛むか」「持病はあるか」などを確認します。

【診察】
 姿勢や背骨の様子、歩行の状態、痛みの出方、感覚や神経の状態などを調べます。

【画像検査】
 エックス線で骨の状態を調べます。
 さらに詳しく筋肉や椎間板、神経の状態などを調べるにはMRI検査が行なわれます。

画像検査を行なっても、腰痛の明らかな原因を特定出来るのは全体の15%ほどにすぎないといわれていますが、
命にかかわる病気が原因かどうかはそこで判明します。
原因が特定された場合には、当然ながらその分野の専門の医療機関を受診して、
原因となる疾患に対応した治療を受けましょう。 腰椎が障害されて起こる腰痛の場合、痛みを抑えるために、
保存療法(薬物療法、コルセットの装着、温熱療法など)が施されます。
保存療法を3ケ月ほど行なっても充分な効果が得られない場合には、
症状に応じて飛び出した髄核を摘出したり、神経を圧迫している骨を切除したりする手術が検討される場合もあります。
特に疾患がなければ、ほとんどの腰痛は自然に和らいで、1週間ほどでほぼ痛みは消えます。
原因が特定できない場合は当面の安静をとり、
痛みが和らいで来たら出来る範囲内で体を動かして、ストレスをため込まないように心がけましょう。
担当医と充分に相談した上で、効果的な対処法を決めていくことが大切です。